サーロー節子さん 母校で講演“被爆者の記憶受け継いで”広島

カナダ在住の被爆者で長年、核兵器の廃絶を訴えてきたサーロー節子さんが広島市の母校の大学で講演し「核のない安全で平和な社会の実現に向け被爆者の記憶と思いを受け継いでほしい」と学生たちに訴えました。

13歳のとき、広島の爆心地から1.8キロで被爆したサーロー節子さん(91)は、半世紀以上にわたって世界各国で核兵器廃絶を訴え続け、2017年にICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンがノーベル平和賞を受賞した時には授賞式でスピーチを行いました。

15日は母校の広島女学院大学で名誉文学博士の学位が授与され、在校生ら500人を前に講演を行いました。

この中でサーローさんは、今週19日から開かれるG7広島サミットについて「市民の皆さんが核廃絶に向けて真摯(しんし)に議論するよう世界のリーダーたちに求めようと準備していることがひしひしと伝わりました。この高揚した気分がサミットが終わっても長く続き、確実な行動となるよう祈っています」と述べました。
そのうえで「核のない安全で平和な社会の実現に向け、被爆者の記憶と思いを受け継いでください。皆さんの中に私たち被爆者から奮い立つ力を得る人がいてほしいと思います」と訴えました。

講演を聞いた大学1年の女子学生は「ことばの一つ一つに重みがあって、本人から話を聞けて貴重な経験だった。広島で起こった惨事を私たちも伝え続けていきたい」と話していました。