【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(14日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 ドイツ首相と会談 さらなる兵器供与要請へ

ウクライナのゼレンスキー大統領はイタリアに続き、ドイツの首都ベルリンを訪れ、首相府でショルツ首相が迎え入れました。

そして、現地時間の14日午前10時すぎ日本時間の14日午後5時すぎから両首脳は会談を行っています。

会談に先立ちドイツ国防省は13日、ウクライナに対し旧式の戦車「レオパルト1」、30両のほか、歩兵戦闘車や防空システムなどを盛り込んだ新たな軍事支援を発表し、ウクライナのロシアに対する反転攻勢を支える構えです。

総額は27億ユーロ、日本円でおよそ4000億円相当でドイツのメディアはドイツからウクライナへの軍事支援は倍増することになると伝えています。

ウクライナに対しては、イギリスがこれまでで最も射程の長い巡航ミサイルの供与に踏み切るなど欧米側は軍事支援を強化させています。

ゼレンスキー大統領は、ショルツ首相との会談でこれまでの支援に感謝するとともに反転攻勢に欠かせない欧米側の兵器供与についていっそうの協力を求めるものとみられます。

ゼレンスキー大統領「ロシアは反転攻勢を実感することになる」

ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、イタリアのメディアのインタビューに対し、ロシアに対する大規模な反転攻勢について「非常に真剣に準備している。ロシアは確実に実感することになる」と強調しました。

ウクライナが、イギリスから供与された射程の長い巡航ミサイルなど、欧米側の軍事支援を受けながら反転攻勢をどう進めるのかが焦点です。

ゼレンスキー大統領 和平に向け教皇に協力求める

ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、SNSでローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇との会談に触れ「移送された数万人のウクライナの子どもたちの問題を取り上げた。家に帰すためにあらゆる努力をしなければならない」として、ロシア側に連れ去られた子どもたちを取り戻すための協力を求めたことを明らかにしました。

その上で、和平に向けて領土の一体性の回復などを掲げるウクライナの提案を支持するようフランシスコ教皇に呼びかけたとしています。
フランシスコ教皇は、これまでウクライナとロシアとの和平の実現に向けて、バチカンが仲介役を果たすことに意欲を見せてきていて、ゼレンスキー大統領と対面で会談するのは、ロシアによる軍事侵攻以降、これが初めてです。

また、ウクライナのイエルマク大統領府長官はSNSで、ゼレンスキー大統領が会談でロシアによる侵攻によって苦しんでいる人たちを支えるため、フランシスコ教皇をウクライナに招待したことを明らかにしました。

ウクライナ国防次官 反撃の成果を強調

ウクライナのマリャル国防次官は13日、東部の激戦地バフムトについて「近郊の2つの戦線で、われわれの軍は徐々に前進している。敵を撃破し、かなりの数を捕虜にした」とSNSに投稿し、反撃の成果を強調しました。

一方、ロシア国防省は、東部ルハンシク州の中心都市で、親ロシア派が事実上統治するルハンシクを12日、ウクライナ軍の戦闘機が攻撃したと発表しました。
攻撃には「イギリスがウクライナに供与した巡航ミサイル『ストームシャドー』が使われた」として、ウクライナへの軍事支援を強化するイギリスを非難しています。

さらに、ロシアの有力紙「コメルサント」によりますと、ウクライナと国境を接するロシア西部のブリャンスク州で13日、ロシア軍の戦闘機と戦闘爆撃機、それにヘリコプター2機のあわせて4機が墜落したということです。

「コメルサント」は複数の専門家の指摘として、敵に撃墜された可能性が高いと伝えています。

伊首相 武器供与含む支援「必要とされるかぎり続けていきたい」

ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、イタリアの首都ローマを訪問し、メローニ首相と会談しました。

会談のあとの共同記者会見で、メローニ首相は「イタリアは、ロシアによる不当で残忍な侵略の被害者であるウクライナの主権と領土保全を全面的に支持することを行動で示してきた」と述べました。

その上で、ウクライナへの武器供与を含む支援については「今後も必要とされるかぎり続けていきたい」と述べ、イタリア政府として継続していく考えを示しました。

これに対し、ゼレンスキー大統領は「私たちが国を守ることへの支援を惜しまないすべてのイタリア人に感謝したい。きょうは、特に防衛や軍事面での協力について協議したが、われわれの空を守るための重要な決定がなされた」と述べました。

ドイツ国防省 ウクライナに27億ユーロの軍事支援を行うと発表

ドイツ国防省は、13日、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナに対して新たに27億ユーロ、日本円にしておよそ4000億円相当の軍事支援を行うと発表しました。

今回の支援にはドイツなどがすでに供与している主力戦車「レオパルト2」より旧式の戦車「レオパルト1」30両、「マルダー歩兵戦闘車」20両、それに、防空システム4基などが含まれています。

地元メディアは、ドイツ政府は侵攻が始まってからこれまでに27億5000万ユーロに相当する兵器の供与を許可していて、今回の支援の発表でウクライナに対する軍事支援が倍増することになると伝えています。

ドイツのピストリウス国防相は発表にあわせた声明で「国際法に違反したロシアの恐ろしい侵攻が一刻も早く終結することを祈っているが、残念ながらそのめどが立っていない。したがって、ドイツはできるかぎりの支援を提供する」として、支援を継続する姿勢を強調しました。