首相 G7広島サミット会場視察 “日本の歴史で最重要サミット”

来週開幕するG7広島サミットを前に、岸田総理大臣は現地を視察し、警備にあたる警察官らに対し、ウクライナ情勢を念頭に「厳しい国際情勢を考えると日本の歴史においても最も重要なサミットになる」と述べ、高い緊張感を持って警備にあたるよう求めました。

来週19日に開幕するG7広島サミットを前に、岸田総理大臣は13日現地を訪れ、会場となるグランドプリンスホテル広島で、周辺を含めて警備にあたる警察官や海上保安官、100人余りを激励しました。

そして、ロシアによるウクライナ侵攻などを念頭に「わが国において7回目、7年ぶりのサミットとなるが、難しく、厳しい国際情勢を考えると、日本の歴史においても最も重要なサミットになる」と述べました。

そのうえで「この歴史的なサミットを、安全かつ円滑に進行するのが開催国である日本の重大な責務であり、その成否は皆さんの双肩にかかっている。最後まで高い緊張感を持ち、警備を完遂してほしい」と求めました。
続いて、岸田総理大臣は、高速船を使って各国首脳が訪問する予定の宮島にも足を運び、世界遺産の厳島神社に参拝しました。
また広島県立総合体育館では、取材拠点となる国際メディアセンターの開所式で「サミットの活発な議論の様子やG7としてのメッセージ、そして広島をはじめ日本の魅力を世界に発信してほしいと大いに期待している」とあいさつしました。

そして岸田総理大臣は、センター内に設置された広報展示のブースを見て回り、このうちNHK広島放送局のブースでは、VR=バーチャル・リアリティーの技術を活用した専用のゴーグルをつけ、ふだんは立ち入ることができない原爆ドーム内部の見学を疑似体験しました。
最後には、各国首脳が訪れる予定の平和公園を訪れ、原爆慰霊碑などを見て回りました。

岸田首相「サミット本番へ改めて気が引き締まった」

岸田総理大臣は、G7広島サミットの現地視察を終えたあと、記者団に対し「前回の視察は去年12月だったが、それからこんにちまでの間、多くの皆さんの努力で準備が進んでいることを目の当たりにした。サミット本番に向けて具体的なイメージを持つことができ、改めて気が引き締まった」と述べました。

一方、岸田総理大臣は、サミット初日の19日に、G7各国首脳を平和公園で出迎えるとともに、21日にはG7メンバー以外の招待国の首脳らとともに平和公園を訪れる予定だと明らかにしました。

また、各国首脳による原爆資料館の視察や被爆者との面会について質問されたのに対し「引き続き調整が続いている。核兵器による威嚇や使用はあってはならず、77年間核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることは決して許されないというメッセージを力強く世界に発信したいと思っており、そのために平和公園での行事・次第などについて詰めの作業を行いたい」と述べました。