【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(13日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる13日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア西部 ウクライナ国境付近でヘリや戦闘機墜落

ロシア国営通信社はウクライナと国境を接するロシア西部のブリャンスク州で13日、Mi8ヘリコプターが墜落したと伝えました。

地元当局の話としてこの墜落で2人が死亡したとしています。

また、一部のロシアメディアは墜落したヘリコプターは2機だと伝えています。

さらに、国営のタス通信は地元当局の話として、ブリャンスク州ではロシアのスホイ34戦闘爆撃機もウクライナの国境付近で墜落したとしています。

いずれも、詳しい原因は分かっていません。

激戦地バフムトでロシア軍の一部撤退か

ロシアが侵攻するウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトについて、ロシア軍が一部の陣地から撤退してウクライナ軍が奪還しているとする指摘が相次いでいます。

東部ドネツク州の激戦地バフムトについて、イギリス国防省は13日「過去4日間、ロシア軍の部隊がバフムトの南側の陣地から撤退した可能性が高い」とした上で戦術的に重要とみられる一部の地区をウクライナ側が奪還したとする分析を示しました。

撤退したロシア軍の部隊についてイギリス国防省はかねてから、士気や戦闘能力の低さが指摘され、ロシア軍の兵力不足の深刻化を浮き彫りにしているとしています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も12日の分析で「ウクライナ側は局地的な反撃で、北西部で陣地を獲得している」と指摘するなど、バフムト各地でウクライナ側の反撃が続いているとみられます。
こうした中、ウクライナのクレバ外相とアメリカのブリンケン国務長官は12日、電話で会談し、クレバ外相がF16戦闘機の供与などさらなる軍事支援を求めたほか、両外相は反転攻勢の準備について意見を交わしたということです。

ウクライナのマリャル国防次官は12日SNSで「ウクライナ東部でわれわれは防衛を続けている。防御だけでなく、反撃なども含まれている」としていて、ウクライナ側の反転攻勢の動きへの注目が高まっています。

プーチン大統領 南アフリカ大統領と電話会談

ロシア大統領府は12日、プーチン大統領が南アフリカのラマポーザ大統領と電話会談を行ったと発表しました。

発表によりますと、会談ではロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐりプーチン大統領は、「ロシアは外交的な解決を決して拒否していない」と主張したということです。

そして、世界の食料安全保障について議論し、ロシアはアフリカ各国に農産物や肥料を無償で提供する用意があることを確認したとして、アフリカ各国に寄り添う姿勢を示しました。

また両首脳は、ことし7月にロシアで行うアフリカ諸国との首脳会議や、8月に南アフリカで行うBRICS=新興5か国の首脳会議について議論したとして、「ロシアと南アフリカが緊密に連携を続けることが重要だ」と強調しました。

ロシアとしては、ウクライナ情勢をめぐり欧米などと対立を深める中、「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国との連携を強化していくねらいとみられます。

一方、アメリカ政府は11日、南アフリカがロシアに武器や弾薬を供給したと指摘し、両国の関係に警戒を示しています。

ロシア外務省 英の巡航ミサイル供与を非難

ウクライナへの軍事支援を続けるイギリスが今月、射程が250キロを超える高精度の巡航ミサイル「ストームシャドー」を新たに供与したことについて、ロシア外務省は12日声明を発表しました。

この中で、「イギリスによる極めて敵対的な対応だ。イギリスは特別軍事作戦が行われている地域の緊張をエスカレートさせようとしている」と非難しました。

そして「ストームシャドー」は射程が長く、精度が高いとしたうえで「イギリスはロシアの不倶戴天(ふぐたいてん)の敵として、この紛争の破壊と人的被害を根本的に新しいレベルに引き上げるつもりだ」と、けん制しました。

ロシア安保会議 副議長「『目には目を』の原則で対応」

ロシアの前の大統領で、現在は安全保障会議の副議長を務めるメドベージェフ氏は12日の会議で、ロシアの企業と国民が海外でいやがらせや差別的な扱いを受けていると主張しました。

そして「『目には目を』の原則に基づいて対応する」と述べ、対抗措置をとる考えを示しました。

また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「われわれの特別軍事作戦の目的は、主権と領土保全、それに数百万の市民の安全を守るためだ」と主張しました。

そのうえで「われわれの敵を擁護するアメリカやヨーロッパは、敵に強力な兵器を送り込み、ロシアの国境地帯でのテロ行為を奨励し、破壊工作を行っている」と欧米を非難しました。

ゼレンスキー大統領 英のミサイル供与に謝意示す

ウクライナが大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ゼレンスキー大統領は12日、イギリスのスナク首相と電話会談を行ったと発表しました。

会談ではイギリスが新たに供与した巡航ミサイル「ストームシャドー」に対して「ウクライナ側の能力を大きく向上させた」と謝意を示し、今後の協力についても意見を交わしたということです。

ウクライナ ドネツク州の激戦地バフムトで反撃か

ウクライナ軍の戦車
ロシアが掌握を目指してきたウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトについて、ウクライナのマリャル国防次官は12日、「われわれは今週バフムトで1つの陣地も失わなかった。守備隊は2キロ前進した」と発表し、ロシア側を押し戻していると強調しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は11日、「バフムト近郊でウクライナ軍は局地的な反撃を行い、前線の一部を突破した可能性が高い」として、ウクライナ側が反撃に成功しつつあると分析しています。

一方、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は12日、バフムト近郊に位置し、ロシア側が掌握するソレダールをめぐり、「ウクライナ軍が1000人以上の兵士と最大40両の戦車で26回にわたり攻撃を試みた」として、ウクライナ軍が反撃を仕掛けてきたと主張しました。

コナシェンコフ報道官は、「ロシアの防衛線は突破されていない」と強調しています。