職員が虐待など 神奈川 中井やまゆり園 専門家らが改革案

職員による入所者への虐待や不適切な行為が明らかになった神奈川県の知的障害者施設について、施設の運営を改善するための方法を検討してきた県のプロジェクトチームが改革案をまとめました。

虐待に関する情報が寄せられた、神奈川県中井町にある県立の知的障害者施設「中井やまゆり園」については、便にまみれた部屋で生活させたことや顔を平手打ちしたことなど、11人に対する9件の行為が「虐待」と認定されたほか、8件の行為が「不適切な支援」とされました。

関与した職員は71人にのぼり、12日、外部の専門家などによるチームがまとめた再発防止に向けた改革案が黒岩知事に提出されました。

それによりますと、定員を現在の140人から60人程度に減らした上で、10人程度を一つのまとまりとして支援して通常の生活に近づけることや、きめ細かな支援に向け、人手がより必要な時間帯に職員を配置できるようにシフトを見直すべきだと指摘しています。

このほかに支援を受ける側の立場を理解することが重要だとして、職員が研修で入所者と一緒に1週間ほど暮らすことなどを提案しています。

今回の改革案を受け、県はことし7月中に具体的な行動計画をまとめるほか、虐待に関与した職員の処分を検討する方針です。

黒岩知事は「虐待を受けた本人やご家族には心からおわびし、二度とこういうことが起きないように改革を全面的に進めていきたい」と話していました。