大成建設 札幌の高層ビルの虚偽報告と工事やり直しで謝罪

大手ゼネコンの大成建設が札幌市中心部に建設中の高層ビルの工事で鉄骨の精度不良や発注元への虚偽報告が発覚し、工事をやり直す事態となったことについて、会社は「品質管理の体制を見直し信頼の回復に全力を尽くしたい」と述べ、謝罪しました。

大成建設が札幌市中心部で建設していた26階建ての高層ビルをめぐっては、ことし3月、鉄骨の柱などの組み立てで、基準を超えるずれが複数見つかったほか、その精度について発注元に対し虚偽の報告をしていたことが明らかになりました。

会社は、この工事を最初からやり直すことになり、完成時期は2年以上遅れ、2026年6月になるとしています。

これについて、大成建設の岡田正彦専務執行役員は、12日の決算発表の記者会見で「関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけすることになり、大変申し訳ありません。全社をあげて徹底した品質管理体制を構築し、信用や信頼の回復に全力をつくす所存です」と述べ謝罪しました。

会社は、外部の専門家などで構成される「コンプライアンス特別委員会」と「技術検証委員会」を立ち上げて、原因の究明や再発防止策の検討を進めているほか、社員教育を徹底するとしています。

一方、グループ全体の昨年度の決算は、今回の施工不良による工事のやり直しで240億円の損失を計上したことなどから、最終利益は前の年度より34%減少し、471億円となりました。