SBI新生銀行 上場廃止で調整 公的資金の返済に向け合意目指す

ネット金融大手の「SBIホールディングス」は、傘下の「SBI新生銀行」に対してTOB=株式の公開買い付けを実施し、上場を廃止する方向で調整に入りました。2025年6月末までに大株主である預金保険機構などと公的資金の返済に向けた具体的な仕組みの合意を目指すとしています。

SBI新生銀行は経営破綻した旧長銀・日本長期信用銀行が前身で、これまでに国から投入を受けた3490億円の公的資金をどう返済するかが課題となっています。

しかし、上場したまま公的資金を返済する場合は、株価を現在のおよそ3倍の7450円まで引き上げる必要があり、親会社であるSBIホールディングスの対応が注目されていました。

これについて、SBIホールディングスの北尾吉孝社長は、12日の決算発表の会見で、SBI新生銀行に対してTOB=株式の公開買い付けを実施する方針を明らかにしました。

今月15日から来月23日にかけてSBI新生銀行の株式を1株あたり2800円で買い付ける計画で株式の取得額は最大で1542億円余りに上るとしています。

これによってSBI新生銀行の株式の77%の取得を目指し、上場を廃止するとしています。

そして、2025年6月末までに大株主である預金保険機構などと返済に向けた具体的な仕組みの合意を目指すということです。

SBI HD 北尾吉孝社長 “返済への道筋 協議していきたい”

SBIホールディングスの北尾吉孝社長は「これからは非常に不確かな経済情勢がしばらく続くので、いついつまでに返すということを軽々に申し上げることはできない。金額もばく大であり、SBI新生銀行の企業価値や収益性を高めることを考えていき、返済への道筋を協議していきたい」と話しています。

SBI新生銀行 川島克哉社長 “株主と誠実に協議 返済方法固める”

今回のTOB=株式の公開買い付けについて「SBI新生銀行」は、賛同するという意見を表明しました。

その理由について、会社は、SBIグループと店舗の共同運営などのシナジー効果が高まり、公的資金の返済の道筋をつけることにつながるとしています。

公的資金の返済についてSBI新生銀行の川島克哉社長は、12日の記者会見で「株主と誠実に協議をして返済方法を固めていきたい。今まで以上に収益力や企業価値を高めていける組織に急ピッチで変貌することがなによりも重要だ」と述べました。