信長が築いた安土城 復元のカギはバチカンに? 滋賀県が調査へ

戦国時代、織田信長が滋賀県に築いた安土城は本能寺の変のあと焼失したため全体像のわからない「幻の城」と言われています。

その姿を知るカギとなる資料が遠く離れたヨーロッパのバチカンに眠っている可能性があるとして、城の復元を目指す県は副知事を現地に派遣し、調査への協力を求めることを決めました。

安土城は戦国時代、信長が天下統一の拠点として滋賀県のびわ湖のほとりに築きましたが、本能寺の変のあと焼失しました。

この城について滋賀県は築城450年にあたる2026年を目標に、AR=拡張現実やVR=バーチャルリアリティでの復元を目指すプロジェクトを進めています。しかし安土城は完成からわずか3年で焼け落ちたため、詳しい資料が残っておらず、全体像のわからない「幻の城」とも言われています。

復元のカギとなる重要な資料と県が位置づけているのが、信長が安土城の様子を詳細に描かせたとされる「安土山図屏風」です。

県によりますとこのびょうぶは信長から天正遣欧使節を通じておよそ440年前にローマ教皇に贈られたということです。当時の記録などから数年間はバチカンの宮殿に飾られていたとみられていますが、その後は所在がわからなくなっています。
県は安土城の全体像を知る唯一の手がかりとなるびょうぶがいまもバチカンに眠っている可能性があるとして、文部科学省出身でイタリアの日本大使館に駐在経験がある大杉住子副知事を今月23日にバチカンに派遣することを決めました。

副知事はバチカンの文化教育省長官、ジョゼ・トレンティーノ・デ・メンドンサ枢機卿などと面会し直接、調査への協力を求めることにしています。

滋賀県は「びょうぶは安土城の姿を知るのに欠かせないものだ。発見につながるよう努めたい」としています。