国境越える多くの人 アメリカ南部 コロナ理由の入国制限失効へ

アメリカでは、5月11日に新型コロナウイルスの感染拡大の防止を理由に続けてきた入国制限措置が効力を失います。これを前に中南米などから多くの人たちが法的な手続きを経ずに国境を越えていて、警戒が強まっています。

アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大の防止を理由にした入国制限措置をとってきましたが、新型コロナの非常事態宣言が解除されるのに伴い、11日深夜、効力を失います。

これを前に、メキシコと国境を接するアメリカ南部テキサス州の町、エルパソでは、アメリカへの入国を希望する中南米などから来た多くの人たちが法的な手続きを経ずに、すでに国境を越えていて、中にはアメリカの国境警備当局に検挙されたあと、バスに乗せられ亡命申請などの手続きを行うための施設に運ばれていました。

またエルパソにある人道支援施設の近くにはおよそ300人が集まっていて施設の男性は「入国制限措置が効力を失えば、もっと大勢の人たちが流入してくると思う」と話していました。

バイデン政権は、新型コロナの入国制限措置が失効するのに合わせて現地の州兵に加え、南部の国境地帯に軍の部隊1500人を派遣することを決めるなど警戒を強めています。

ただメキシコ側には大勢の人たちが待機しさらに多くの人たちが国境を越えて来るとみられることから、トランプ前大統領など野党・共和党は、バイデン政権が招いた「国境危機だ」と批判し、来年の大統領選挙に向けて争点化を図り、攻勢を強めたいものと見られます。