シャープ 昨年度決算 2608億円の赤字 6年ぶり最終赤字

大手電機メーカー、「シャープ」の昨年度1年間の決算は、テレビ向けの液晶パネルの不振などから2608億円の最終赤字となりました。最終赤字は経営危機に陥っていた2016年度以来です。

シャープが11日発表した昨年度1年間の決算は、売り上げが前の年度から2%増えて2兆5481億円となった一方、本業のもうけを示す営業損益は、原材料価格の高騰に加え、テレビやパソコン向けなどの液晶パネルの不振によって前の年度の847億円の黒字から一転して257億円の赤字となりました。

最終的な損益は、テレビ向けの液晶パネルの需要が世界的に低迷する中、事業の収益性の低下などを踏まえておよそ2200億円の損失を計上したことで、前の年度の739億円の黒字から大幅に悪化して2608億円の赤字となりました。

シャープが最終赤字となるのは、経営危機に陥っていた2016年度以来です。

一方、会社では、今年度1年間の業績について、赤字となっている液晶パネル事業を中心にコストの削減を進めるとともに、新規事業の展開を加速するなどして最終的な損益で100億円の黒字を確保するという見通しを示しました。

呉社長兼CEO「最大限の責任をもって受け止めている」

シャープの呉柏勲社長兼CEOはオンラインの記者会見で「巨額の赤字を発生させたことは、最大限の責任をもって受け止めている。液晶パネル事業ではわれわれの想定以上にテレビ向けのパネルの価格が低下し、減損による損失を計上せざるをえないという判断に至った。今年度の黒字化の『必達』に向けて取り組むとともに、シャープを優れた技術を持つブランド企業に変えていきたい」と述べました。