コニカミノルタ 昨年度1050億円の赤字 4年連続最終赤字見通し

精密機器メーカー大手のコニカミノルタは、昨年度の業績予想を下方修正し、最終的な損益が1050億円の赤字となると発表しました。6年前に買収したアメリカ企業の資産価値を見直した結果、多額の損失を計上したためで、4年連続の最終赤字となる見通しです。

コニカミノルタは、2017年にアメリカで遺伝子診断事業を手がける企業など2社を買収しました。

しかし、会社の発表によりますと、新型コロナの感染拡大の影響で、こうした事業の需要が当初の見込みを大きく下回ったということで、買収した企業の資産価値を見直した結果、1035億円の損失を計上することになりました。

これを受けて、会社は昨年度の業績を下方修正し、最終的な損益がこれまでの55億円の黒字から1050億円の赤字になるということです。

最終赤字は4年連続となる見通しです。

これを受けて、大幸利充社長兼CEOが、1年間、報酬の30%を自主的に返上するなど合わせて役員9人が報酬を自主返上するとしています。

大幸社長兼CEO「事業譲渡も含めた戦略的な選択肢検討を」

オンラインで開いた会見で大幸利充社長兼CEOは、「株主の皆様にご心配をかけ申し訳なく思うが、経営としてはひるまずに歩みを進めていくという覚悟で臨む」と述べました。

そのうえで、損失を出した事業について、「精密医療の分野は実績があり、今後も高い成長率が期待できる。しかし、成長投資に対する原資を継続して確保する必要性を考慮すると、米国での上場に加えて、第三者への事業譲渡も含めた戦略的な選択肢の検討を進めたい」と述べ、事業の見直しを検討する考えを示しました。