JR東日本 高架橋の柱などの耐震補強工事 前倒しなど計画見直し

去年、東北新幹線が脱線した地震の際、高架橋の柱が損傷してレールがゆがむ被害が出たことを受け、JR東日本は大きな被害のおそれがある柱1000本近くの工事を前倒しするなど、耐震補強工事の計画を見直しました。

去年3月、福島県と宮城県で震度6強を観測した地震では、東北新幹線が脱線し、架線や高架橋などの被害もおよそ1000か所に上りました。

国の検証委員会は、耐震補強されていない高架橋の柱が激しく損傷し、上を走るレールがゆがんだ被害について、柱が少ない構造で負担が均一でない荷重条件だったと指摘しています。

同様の高架橋を調べた結果、東北新幹線と上越新幹線で大きな被害のおそれがある柱がおよそ970本あると分かり、JR東日本は、耐震補強工事の計画を見直すことになりました。

具体的には、地震で被害のおそれのある高架橋の柱6000本について、工事の期限を5年前倒すなど2028年度までに行うとし、このうち調査で確認されたおよそ970本については2025年度までに前倒すとしています。

耐震補強工事の対象も、高架橋の柱はおよそ1万3200本に拡大するとともに、電柱およそ4000本を新たに加えました。

JR東日本の深澤祐二社長は「工事対象の追加や優先順位の見直しで、より安全性の高い鉄道、新幹線を目指し対策を進めていきたい」と話しています。