熊本の乳児院 職員が子どもの頭をたたくなど虐待 市が改善勧告

熊本市の乳児院で職員が子どもの頭をたたくなどの虐待を行っていたとして、市は、乳児院を運営する社会福祉法人に対し、再発防止を求める改善勧告を出しました。

改善勧告が出されたのは、熊本市中央区にある「熊本乳児院」を運営する社会福祉協会です。

熊本市は、「虐待が行われている」という匿名の情報提供を受けて調査を進めた結果、ことし3月までの15年間に、子どもに対して、頭をたたくなどの身体的虐待や、オムツを顔に押しつけるなどの心理的虐待が合わせて9件あったと認定し、8日付けで改善勧告を出しました。

この中で、組織体制を見直したうえで、外部の専門家などでつくる第三者委員会を設置して施設運営のチェックをすることや、全職員を対象に養育の専門性を高める研修を行うことなどを求めています。

熊本乳児院では、元職員が子どもに対し「顔面偏差値低いよね」などと発言したことが心理的虐待があたるとして去年3月にも改善勧告が出されましたが、その後も虐待が起きていました。

熊本市こども福祉部の光安一美部長は「長い期間、多くの虐待があったことは重く受け止めなければならない。子どもたちには今後できるかぎりのケアをしていかなければならないと考えています」と話しています。

一方、熊本乳児院の代理人の弁護士は、「結果を真摯(しんし)に受け止めたい。調査結果の内容を精査してできるかぎり早く理事会を開いて今後の対応策を検討したい」と話しています。