震度6強 石川 珠洲 住宅被害468棟に 県“さらに増える見込み”

5月5日の地震で最大震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市では新たに100棟あまりの住宅の被害が確認され、被害を受けた住宅はあわせて468棟にのぼりました。調査がまだ続いていて、石川県は建物の被害はさらに増える見込みだとしています。

新たに全壊2棟を含む116棟の住宅被害を確認

珠洲市では石川県による被害調査が続いていて、5月8日から9日正午にかけて新たに全壊2棟を含む116棟の住宅の被害が確認されたということです。

この結果、珠洲市の住宅の被害はあわせて468棟にのぼり、
▼全壊は9棟、
▼半壊は9棟、
▼一部が破損したのは450棟となっています。

また住宅やそれ以外の建物の倒壊のおそれを判定する「応急危険度判定」では
▽最も危険度が高い「危険」と判断された建物が231棟、
▽「要注意」と判断された建物が336棟にのぼっているということです。

石川県は、調査がまだ続いていて建物の被害はあす以降、さらに増える見込みだとしています。

珠洲市 1人暮らしの高齢者や障害者の支援チームを立ち上げ

珠洲市では1人暮らしの高齢者の健康管理や生活の立て直しが課題となっていて、市が医療や福祉の従事者による支援チームを立ち上げ、高齢者などの自宅を巡回する活動を行っています。

珠洲市は65歳以上の人の割合がおよそ51%と高齢化率が高いため震度6強の揺れを観測した翌日の5月6日に医療や福祉の従事者による1人暮らしの高齢者や障害者の支援チームを立ち上げました。
9日は看護師などが5班に分かれて高齢者などの自宅を一軒一軒回り、
▼血圧の測定をはじめとした体調チェックをしたあと
▼地震が起きた際の避難経路を一緒に確認したほか、
▼孤立しないよう近所づきあいをしているかどうかなどを聞き取っていました。

6年前から1人暮らしをしている87歳の女性は「余震の不安などで寝つきが悪いです。震度6強の地震が起きた時は足腰が悪く車も運転しないので避難所には行きませんでした。この地域はバスの便が少ないため買い物に行くための交通手段にも困っています」と話していました。
活動を行っている珠洲市健康増進センターの三上豊子所長は「弱音を吐きたくても吐けない高齢者が多いので巡回を続ける中で被災者のニーズを集めて課題を1つずつ解決していきたいです」と話していました。

地震のあとふるさと納税の申し込みが急増

珠洲市では地震のあとふるさと納税の申し込みも急増しています。

珠洲市によりますと、最大震度6強の揺れを観測した地震があった5月5日から7日までの3日間に、市に寄せられたふるさと納税の額は474万円余りに上ったということです。

令和5年度、4月1日から5月7日までのふるさと納税の総額はおよそ989万円で、そのほぼ半分が5月5日の地震以降に寄せられていて、去年の同じ時期のおよそ8倍に急増しています。

申し込みと一緒に「1日も早い復旧を願っています」とか「震災からの復興、頑張ってください」といったメッセージが寄せられ、返礼品を望まない人もいるということです。
珠洲市産業振興課の高林義信課長は「感謝の気持ちしかありません。地震活動が収まらず大変な日が続きますが、復興によりいっそう力を入れて取り組みたいです」と話しています。