柔道世界選手権 阿部一二三と詩 きょうだいそろって金メダル

カタールで行われている柔道の世界選手権は8日、男子66キロ級で阿部一二三選手が、女子52キロ級では妹の阿部詩選手がそれぞれ金メダルを獲得し、去年に続き、きょうだいそろって世界選手権を制しました。

カタールのドーハで行われている柔道の世界選手権は8日、男子66キロ級と女子52キロ級の試合が行われました。

このうち、東京オリンピック男子66キロ級の金メダリスト、阿部一二三選手は準々決勝で東京オリンピックの決勝で対戦したジョージアのバジャ・マルグベラシビリ選手を豪快に投げて、合わせ技で一本勝ちするなど順調に決勝まで勝ち上がりました。

そして決勝では去年に続いて東京オリンピックの代表の座を争った丸山城志郎選手と対戦しました。

試合は開始直後から激しい組み手争いとなりましたが、阿部選手が丸山選手に効果的な技に入る隙を与えず、徐々に流れを作りました。

延長戦に入ったあとは阿部選手が、反撃を試みる丸山選手の組み手を封じながら技を出す展開となり、開始から10分すぎ、3つ目の指導が入った丸山選手が反則負けとなって阿部選手が金メダルを獲得しました。

阿部選手は2年連続4回目の世界選手権制覇で、日本の男子選手としては全日本柔道連盟の山下泰裕会長などと並んで最多となりました。

決勝で勝利が決まったあと手をたたいて喜んだ阿部選手は「最後は自分の意地と気持ち、執念が出た。これがオリンピックチャンピオンというのを見せられたと思う」と話していました。
一方、東京オリンピック女子52キロ級の金メダリストで阿部選手の妹、詩選手は初戦から豪快な投げ技で一本勝ちを続け、決勝ではウズベキスタンの選手と対戦しました。

詩選手は開始直後から主導権を握ると2分すぎ、抑え込みで一本勝ちして金メダルを獲得しました。

初戦からすべて一本勝ちを収めた詩選手は兄の阿部選手と同じく2年連続4回目の世界選手権制覇となりました。

詩選手は「思っていた展開とは違って戸惑ったが、最後は寝技で決め切れてよかった。私の戦いはこれからなので、パリオリンピックで連覇するために精進したい」と先を見すえていました。