「京アニ」放火殺人事件 公判前整理手続き始まる 京都地裁

4年前「京都アニメーション」のスタジオが放火され、社員36人が死亡した事件で、殺人などの罪で起訴された青葉真司被告の裁判員裁判を前に、証拠や争点を絞り込む手続きが8日から始まりました。
関係者によりますと、証拠の整理などが行われたということです。

2019年7月、京都市伏見区にあった「京都アニメーション」の第1スタジオが放火され、社員36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件では、青葉真司被告(44)が殺人や放火などの罪で起訴されています。

裁判員裁判を前に8日、京都地方裁判所で、裁判所と検察、それに弁護側の三者が集まり、争点や証拠を絞り込む「公判前整理手続き」が、初めて行われました。

関係者によりますと、青葉被告は出席せず、証拠の整理などが行われたということです。

裁判は、ことし9月上旬から12月下旬の間に審理を行う日程で調整が進められているということで、今後の手続きで正式な日程が決まります。

起訴する前に、検察が被告の精神鑑定を行い、刑事責任を問えると判断していますが、その後、弁護側の請求を受けて2度目の精神鑑定が行われました。

裁判では、2度の鑑定結果を踏まえて、刑事責任能力について争点になるとみられ、動機が解明されるのかも注目されます。

平成以降の殺人事件として、最も多くの犠牲者が出たこの事件は、ことし7月に発生から4年を迎える中、裁判の具体的な手続きがようやく始まりました。

遺族「被告には具体的な心の内を話してほしい」

「公判前整理手続き」が始まったことについて、事件で亡くなったアニメーターの高齢の遺族は、「自分が生きている間に裁判が始まってほしい。被告には、なぜ事件を起こしたのか、なぜ多くの人の命を奪ったのか、具体的な心の内を話してほしい」とコメントしています。