埼玉 所沢 中学校いじめ「重大事態」認定せず 調査へ

埼玉県所沢市内の中学校で男子生徒がいじめを理由に、およそ1年2か月にわたって不登校になり、法律で定めるいじめの「重大事態」に該当していたにもかかわらず、保護者の指摘を受けるまで認定していなかったことがわかりました。市の教育委員会は有識者でつくる調査委員会の調べを受け、対応を検討することにしています。

所沢市教育委員会や生徒の父親などによりますと、市内の公立中学校に通う男子生徒は、2年生になってから同級生から殴られるなどのいじめを受け、おととし2月ごろから不登校になり、去年3月に卒業するまでおよそ1年2か月間、欠席が続いたということです。

文部科学省の基本方針では、いじめを理由に30日以上欠席した場合にはいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に該当するとしていますが、所沢市の教育委員会は認定していませんでした。

先月上旬、父親が問い合わせたところ、その4日後に市の教育委員会が重大事態に認定し、有識者からなる調査委員会を設置しました。

市教育委員会によりますと、学校側からは、おととし3月に保護者どうしで話し合い一定の理解が得られたとして、それ以降の欠席日数をいじめによるものではないと認識し、基準に達していないと判断していたという説明を受けたということです。

新たに設置された調査委員会では、一連の学校側の対応も調べることにしています。

所沢市教育委員会は「今回の対応が不適切であった可能性はあるので、調査を待って対応を検討してまいります」とコメントしています。

男子生徒の父親によりますと、話し合い以降もいじめは解消されたという認識はないということで「なぜ当時は重大事態と認定しなかったのか、判断のいきさつと責任の所在を明らかにしてほしい」と話しています。