【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる8日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア軍が東部のバフムトで焼い弾と白リン弾使用か

ウクライナ軍の参謀本部は7日、ロシア軍が東部の激戦地バフムトで「焼い弾と白リン弾を使用した」と発表しました。ウクライナ軍から提供されたとして地元メディアなどが伝えた映像では、バフムトとされる街に無数の白い炎のようなものが雨のように落ちていく様子が写されています。ウクライナ側は、ロシア軍が過去にも東部ドネツク州の要衝マリウポリで焼い弾か白リン弾を使って攻撃したとして非難しています。

ロシア側がバフムトで焼い弾を使用したとされる映像について、防衛省防衛研究所の兵頭慎治 研究幹事は「映像だけで白リン弾か焼い弾かを判別することは難しい」とした上で「町を焼き払うような兵器を使用することの軍事的な意味は定かではない」と指摘しました。そのうえで「今月9日の『戦勝記念日』を前にワグネルがバフムトでウクライナ側に一撃を加え、プーチン政権に向けてアピールするとともにウクライナをけん制するという政治的な意味合いが大きいのではないか」と分析しています。

キーウ州 ロシア軍の無人機攻撃続く

ウクライナでは8日未明も各地にロシア軍のミサイルや無人機による攻撃があり、このうちキーウ州では35機の無人機が迎撃されたということです。一連の攻撃でキーウ市内では5人がけがをしたということです。

またキーウ市内の民間の集合住宅には、迎撃した無人機の破片が直撃し、建物の一部が大きく壊れ、あたりにはガラスなどが散乱していました。

この集合住宅に住む2歳の娘を持つ女性は「21世紀にこのようなことが起こることが信じられません。残念ながらいまは2日先のことも考えられません。きょうを生きるのみです。ロシアとは何年先も、何世紀先も和解することはないです」と憤っていました。

ロシア モスクワでの戦勝記念日の式典 予行演習

ロシアのプーチン政権は、第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した5月9日の戦勝記念日に合わせて各地で軍事パレードを行い、国民の愛国心を高揚させ結束を図る機会としてきました。

首都モスクワでは、戦勝記念日を前に、軍事パレードの予行演習が7日、行われました。

ロシアの戦勝記念日式典 各地で中止の発表も

政治の中枢クレムリンが、無人機による攻撃を仕掛けられたとする影響も指摘される中、戦勝記念日の式典がどの程度の規模で実施されるのかが焦点です。ことしは、安全上の懸念などを理由に各地で軍事パレードの中止が相次いで発表されています。

イギリス国防省は6日、軍事パレードを中止するのは少なくとも21の都市にのぼると指摘しています。

ロシア大統領府は、今月3日、モスクワ中心部のクレムリンが、無人機による攻撃を仕掛けられたとする一方で、クレムリンに隣接する赤の広場では9日、予定どおり式典が開かれ、プーチン大統領の演説も行われると発表しています。

イギリス国防省「モスクワでの式典は小規模に」

イギリス国防省は、モスクワでの式典は例年より小規模になるという見通しを示しました。

その背景として「クレムリンへの無人機攻撃はロシアのぜい弱性を明らかにし、戦勝記念日の行事に対する政権指導部の脅威認識がほぼ確実に高まった」と分析しています。そのうえで「戦争に対する潜在的な抗議や不満も指導部の判断に影響を与えているとみられる」という見方を示しています。