【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシアでウクライナ侵攻支持する作家 車爆発しけが

ロシアの国営通信社は6日、ロシア西部のニジニ・ノブゴロド州で車が爆発し、中に乗っていた作家のザハル・プリレーピン氏がけがをしたと伝えました。

運転していた男性は死亡したということです。

地元の当局は、車に爆発物が仕掛けられていたとしていて、警察は事件に関わった疑いで1人の男を拘束したと発表しました。

テロ行為だとして捜査していた連邦捜査委員会は6日「拘束した男は、取り調べで『ウクライナの特殊機関の指示に従ってやった』と証言した」と発表し、ウクライナ側が仕掛けたと主張しました。

ロシアメディアによりますと、47歳のプリレーピン氏は愛国的な作品を数多く手がけ、ロシアで広く知られています。

過去には政治活動に関わっていたほか、2014年に始まったウクライナ東部での戦闘にも加わったと伝えられていて、去年から始まったウクライナ侵攻を強く支持していました。

今回の爆発についてロシア大統領府のペスコフ報道官は6日「司法機関からの情報を待たなければならない」と述べ、政権としても事態を注視しているとしています。

ウクライナ空軍 極超音速ミサイルを撃墜

ウクライナ空軍は6日、ロシア側が極超音速ミサイルだとする「キンジャール」について、キーウ州の上空で撃墜したと発表しました。

撃墜したのは4日の夜で「キンジャール」は、ロシア領内から戦闘機で発射されたとしています。

さらにツイッターで「キンジャール」を撃墜したのは初めてだとした上で、欧米から供与された地対空ミサイルシステム「パトリオット」の写真を掲載し、「パトリオット」で撃墜したと明らかにしました。

これまでウクライナ空軍は「キンジャール」について迎撃するのが極めて困難だとしていて、今回の撃墜について「歴史的な出来事だ」と成果を誇っています。

ロシア軍 バフムトより防御を優先か

民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が、バフムトから撤退すると表明したことについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は5日、「ロシア国防省がバフムトの優先度を下げていることを示している。ウクライナの反転攻勢に備え、弾薬や物資の供給を控えている可能性がある」として、ウクライナが大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ロシア側はほかの地域の防衛に重点を置き始めているという見方を示しました。

こうした動きに対してウクライナ軍の参謀本部は6日、バフムトでは激しい戦闘が続いているとし、徹底抗戦する構えを示しました。

南部ザポリージャ州 親ロシア派「住民を一時避難させる」

ウクライナに侵攻するロシアが一方的な併合に踏み切った、南部ザポリージャ州の親ロシア派のトップ、バリツキー氏は5日、SNSで「ここ数日、ウクライナ軍の砲撃が強まっている。前線に近い18の地区の住民を一時、避難させることを決定した」として、ロシアの支配地域にいる住民を移動させると発表しました。

ロシア軍が占拠するザポリージャ原子力発電所がある地域も含まれていて、ロシアのメディアは移動させる住民はおよそ7万人に上るとしています。

また、バリツキー氏は5日に公開された国営テレビの番組の中で「ウクライナ軍の反転攻勢が迫っていると理解している」と強い危機感を示しました。

ウクライナ軍は、近く大規模な反転攻勢に乗り出す構えで、ザポリージャ州で領土奪還を目指して部隊を進軍させるのではないかという見方が出ていて、ロシア側は警戒を強めているとみられます。

ワグネル代表 プリゴジン氏「5月10日バフムトから離脱」と表明

ウクライナ東部の激戦地バフムトでロシアの正規軍とともに戦闘に加わっている民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏は5日、SNSで動画と声明を発表しました。

このなかでプリゴジン氏は「去年3月16日、特別軍事作戦が計画どおりに進まなくなり、われわれは支援要請を受けた。3月19日、われわれの部隊はアフリカから到着しすぐに戦闘に参加した。10月には、正規軍にひと息つかせ、敵をこちらに引き寄せるため、命をかけたバフムトの作戦を開始した」と述べ、ワグネルが戦闘に参加した経緯やバフムトでの作戦について言及しました。
そして、バフムトで戦果をあげたものの4月から極端な弾薬不足に陥っていると訴え「われわれは5月9日までにバフムトを掌握するつもりだったが、軍の官僚は、これを阻止しようと事実上、一切の供給を止めている」と国防省が故意に弾薬の供給を止めていると非難しています。

その上でプーチン大統領とショイグ国防相、それにゲラシモフ参謀総長に対して「弾薬がない中で不当に損失が出ることは受け入れられない。われわれは5月10日にバフムトから離脱する」と表明しました。

一方、プリゴジン氏は「ロシア国民にとっての聖なる祝日を辱めないよう弾薬が尽きてもとどまる」とも述べました。
プリゴジン氏としては、最前線からの離脱を警告することで、弾薬の供給に向けて国防省などへの圧力を強める一方で、ロシアで第2次世界大戦の戦勝記念日にあたる9日までは戦い続けると強調し、政権側や国民にみずからの立場をアピールするねらいもあるとみられます。