フィリピン大統領 米軍使用の基地 中国攻撃想定せず

アメリカを訪れているフィリピンのマルコス大統領は、アメリカ軍がフィリピン国内で使用できる基地を増やすことで両国が合意したことについて「ほかの国に攻撃的な行動をとるためではない」と述べ、台湾有事の際に中国を攻撃するために使用することは想定していないと強調しました。米中の対立に巻き込まれたくないというフィリピンの本音がうかがえます。

アメリカの首都ワシントンを訪問しているフィリピンのマルコス大統領は4日、シンクタンクのイベントに出席し、アメリカ軍がフィリピン国内で使用できる基地を新たに4か所増やすことで、アメリカと2月に合意したことについて「気候変動によって災害の件数が増えているためだ」と述べ、災害時の連携強化が念頭にあると説明しました。

さらにマルコス大統領は「協定の対象となった基地は中国、そしていかなる国に対する攻撃も意図していない」と述べるとともに「攻撃的な行動のために基地を使用するとすれば、それは議論の範囲を超えている」として、台湾有事の際に中国を攻撃するために使用することは想定していないと強調しました。

マルコス大統領は、前のドゥテルテ政権の方針を転換し、同盟国アメリカとの関係改善を進めていますが、中国は秦剛外相が先月、フィリピンを訪問し、これをけん制しています。

今回の発言からは、米中の対立に巻き込まれたくないというフィリピンの本音がうかがえます。