うつ病などの労災認定基準 カスタマーハラスメントなど追加へ

仕事が原因でうつ病などを発症した場合の労災の認定基準について、国は客や取引先からの迷惑行為である「カスタマーハラスメント」やリスクを伴う感染症への対応も心理的な負荷が大きいとして、労災の判断にあたって考慮すべき類型に追加する方針です。

仕事が原因でうつ病などの精神障害を発症したとして、労災が申請された場合に備えて、厚生労働省は心理的な負荷が大きい業務などを類型化したリストを作っていて、これに該当するかを考慮して労災かどうかを判断しています。

厚生労働省は、医師や専門家などで作る検討会で進めている労災の認定基準の見直し作業にあわせてこのリストを更新する方針です。

この中では、顧客や取引先からのクレームや迷惑行為などのカスタマーハラスメントのほか、リスクを伴う感染症への対応や有害物質を取り扱う業務などを新たな類型として追加することにしています。

カスタマーハラスメントに関するトラブルが頻発していることや、感染の不安を抱えながら新型コロナの対応にあたった人が多かったことなど、最新の社会情勢や医学的知見を踏まえた対応で、労災を申請する人にとって自分が対象かどうかを確認しやすくなり、労災認定の作業の迅速化も期待されるということです。

検討会ではこうした内容を報告書としてまとめる予定で、厚生労働省は報告書を踏まえて、認定基準を改正することにしています。