野村萬斎さん オペラ初演出へ「能狂言ならではの発想を」

狂言師の野村萬斎さんが、初めてオペラの演出を手がけることになり、会見で「能狂言ならではの発想を生かしたい」と意気込みを語りました。

野村萬斎さんが演出を手がけるのは、作曲家ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」で、各地の劇場施設が文化庁の支援を受けて共同で制作するということです。

2日は、東京芸術劇場で記者会見が行われ、野村さんや指揮を担当する阪哲朗さん、それに出演者らが出席しました。

野村さんがオペラの演出を担当するのは初めてだということで、会見で野村さんは「指名をいただいて、勇気があるなという感じがしなくもないですが、違うジャンルにも挑戦したい、またこれから勉強したいという思いがありました」と話しました。

「こうもり」は、喜歌劇の最高傑作ともされていて、ヨーロッパが舞台となっていますが、野村さんは舞台を日本に移した独自の演出も検討しているということです。

野村さんは「定型を保ちつつ、能狂言ならではの発想を生かしたい。日本芸能のアイデンティティーが生きるような演出を心がけているので、私のオリジナリティーの強いものにしたほうが珍しく思っていただけると開き直って取り組んでいきたい」と話していました。

このオペラは、ことし11月に滋賀県と東京で、12月に山形県で上演される予定です。