米政府 6月1日にも債務不履行のおそれ 議会に対応求める

アメリカでは政府が借金できる上限が決められています。
イエレン財務長官は5月1日、議会が上限の引き上げなどに応じなければ、6月1日にも債務の不履行に陥るおそれがあるとして議会に速やかな対応を求めました。

アメリカでは、財政規律を守るため政府が国債などを発行して、借金できる上限をあらかじめ議会が定めています。

イエレン財務長官はことし1月、政府の借金が増えてこの上限に達したため、臨時に資金を確保する特別措置を始めたと発表していました。

この措置によって、アメリカ国債の債務不履行は当面回避されましたが、イエレン財務長官は5月1日、議会下院のマッカーシー議長をはじめ、議会指導部への書簡で、早ければ6月1日にも臨時措置が行き詰まり、債務の不履行に陥るおそれがあることを明らかにしました。

そのうえで、議会が上限の引き上げなどに応じるよう速やかな対応を求めました。

一方、議会下院で過半数を占める野党・共和党は上限の引き上げには、バイデン政権が続ける大規模な財政支出の削減が必要だとしています。

これに対し、バイデン政権は気候変動対策など不可欠な支出だとして、拒否する姿勢を見せています。

アメリカではこれまでも借金の上限問題をめぐって、政府と与野党が折り合えず、たびたび金融市場の混乱を招いており、銀行破綻が相次ぎ金融不安への警戒が続く中で今後の議会の対応が焦点となっています。