【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月1日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5月1日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ワグネル代表 “反転攻勢は今月15日までに始まる可能性”

ウクライナへの軍事侵攻に多くの戦闘員を投入しているロシアの民間軍事会社「ワグネル」の代表プリゴジン氏は、ウクライナ軍の反転攻勢が今月15日までに始まる可能性があるという見方を示しました。

SNSで戦況を発信しているロシアの軍事ジャーナリストとのインタビューで主張したもので「天候がよくなり戦車などは移動しやすくなってくる。15日には間違いなく反転攻勢に出るだろう」としています。

インタビューの動画は先月29日までに投稿されたものですが、実際にいつ発言したのか、それに15日という日付に具体的な根拠があるのかは分かっていません。

また、プリゴジン氏は弾薬不足を重ねて訴え、東部の激戦地バフムトからの撤退まで示唆していて、ロシア国防省への不満を表した形です。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は29日「プリゴジン氏はウクライナ東部で守りに入るよう政権側を説得しようとしている。バフムト撤退の脅しは、後方のロシア側の陣地が反撃に対してぜい弱だという懸念を示しているとみられる」と分析しています。

ロシア側 反転攻勢への備え強化か

イギリス国防省は1日、衛星写真の分析から、ロシアが一方的に併合したクリミアの北側などのほか、ウクライナと国境を接するロシア領内の西部ベルゴロド州やクルスク州にもロシア軍がざんごうを掘るなど大規模な防衛線を築いていると指摘しました。

そして「ウクライナが大きな突破を成し遂げる可能性があるというロシア指導部の深い懸念を浮き彫りにしている」と指摘し、ロシア側も反転攻勢への備えを強化しているとものとみられます。

ウクライナ報道官 燃料貯蔵施設への攻撃関与を示唆

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアの軍港都市にある燃料の貯蔵施設で先月29日に起きた大規模な火災について、ウクライナ軍の南部方面司令部の報道官は、30日、地元メディアに対して「誰もが待ち望んでいる大規模な攻撃に向けた準備だ」と述べ、ウクライナの反転攻勢に向けた準備の一環だったという認識を示しました。

ウクライナは施設への攻撃を公式には認めていませんが、今回、関与を示唆した形です。

この火災について、ウクライナ軍の参謀本部は30日、ロシア海軍の黒海艦隊の燃料施設が破壊されたもので、貯蔵容量はおよそ4万トンにのぼるという見方を示しています。

ゼレンスキー大統領「重要な戦闘がまもなく始まる」

ウクライナのゼレンスキー大統領は4月30日「重要な戦闘がまもなく始まる」と述べ、領土の奪還に向けたウクライナによる大規模な反転攻勢が近いことを示唆しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、「国境警備隊の日」にあわせて隊員らを前に演説し、東部の激戦地、バフムトなどでの防衛をたたえました。
その上で「重要な戦闘がまもなく始まる。私たちの土地や国民をロシアの支配から解放しなければならない。陸と海で国境を完全に取り戻さなければならない」と述べ、領土の奪還に向けたウクライナによる大規模な反転攻勢が近いことを示唆しました。
反転攻勢をめぐってはレズニコフ国防相が28日に「全体としてはわれわれは準備ができている」と明らかにしたほか、ゼレンスキー大統領は北欧のメディアとのインタビューで「大きく遅らせることはない」と述べ、供与を強く求めているF16戦闘機などがなくても反転攻勢を始めるという考えを示しています。
一方で、「ロシアはざんごうを掘り、防衛線を築いている。われわれにとって厳しい戦いになる」とも述べ、領土の奪還が容易ではないという認識も示しています。