ロシア 第2次世界大戦の戦勝記念日に向け各地で準備

ロシアでは、来月9日に迫った第2次世界大戦の戦勝記念日に向けた準備が各地で進んでいます。

このうち首都モスクワでは26日、プーチン大統領も出席して軍事パレードが行われる赤の広場で、観覧席の設置作業や「5月9日 勝利」などと書かれた看板の飾りつけが行われていました。
また、周辺では、ナチス・ドイツに対する勝利を表すものとして政権側が広めてきた、オレンジと黒の2色で彩られたリボンをボランティアの学生たちが道行く人々に配る様子も見られました。

大学2年生の女性はリボンを渡すたびに、2つの色は「火と火薬」を表し、勝利の象徴となっていると説明していて、「リボンを受け取る人たちが、私と同じように国への誇りを感じてくれることを願う」と話していました。

第2次世界大戦の期間中、旧ソビエトでは、世界で最も多い、少なくとも2600万人の兵士と市民が死亡したとされ、ロシアで戦勝記念日は多くの人々にとって祖先が苦難の末に勝利した栄光と誇りの日と位置づけられています。

おじが第2次世界大戦で戦死したという60代の女性は「記念日が近づくにつれて高揚感を感じる。われわれは祖国とともにあり、結束し、無敵だという思いが募る」と話していました。

一方、若者の中には、戦勝記念日など関係ないと冷めた見方をする人もいて、10代の男性は「夏が近づき、学年が終わると思うと楽しみだ」と話していました。

また、ウクライナへの軍事侵攻について10代の女性は「21世紀の現代に生きる私たちのような若者には戦争への準備ができていない。多くの人たちも気持ちが追いつかず現状に心を痛めているのではないか。おじやいとこが戦地へ赴いたが、今どうしているか分からない」と戸惑っていました。

極東でも「ゲオルギー・リボン」配布

ロシア極東のサハリン州でも、第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した象徴とされる、黒とオレンジ色でデザインされた「ゲオルギー・リボン」の配布が27日から始まりました。

27日は、中心都市ユジノサハリンスクのバス停前で、ボランティアたちが、通りかかった人たちにリボンを手渡していました。

この日一日で合わせて250本配ったということです。
リボンを受け取った60代の女性は、ウクライナへの軍事侵攻が続きサハリン州内からも兵士たちが前線へ送られていることに触れ「リボンは、彼らの士気を高めると思う。勝利は過去も現在もわれわれのものだ」と話していました。

また、リボンを配った16歳の学生は「リボンは、私たちが戦場にいる兵士たちを支持していることを意味している。そして、兵士たちのことを忘れずにいることも示している」と話していました。