FRB議長 ゼレンスキー大統領なりすましのロシア人とビデオ通話

アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長がことし1月、ウクライナのゼレンスキー大統領になりすましたロシア人とビデオ通話していたことが分かりました。

アメリカのブルームバーグなどによりますと、FRBのパウエル議長が、ゼレンスキー大統領を装ったロシア人の質問に答える映像が、ロシアの国営テレビで放送されたということです。

ロシア国営のタス通信は、パウエル議長はインフレの状況や欧米の経済制裁を受けたロシア中央銀行の対応などについて話していると伝えています。

FRBは「ウクライナの人々を支援する内容の会話だった。機密情報は話していない」とコメントしていますが、ブルームバーグは「FRBのセキュリティーに疑問が生じる可能性がある」と指摘しています。

ゼレンスキー氏になりすましたロシア人は、政治家や著名人を標的とするいたずらを繰り返していて、去年11月にはフランスのマクロン大統領になりすましてポーランドのドゥダ大統領と話した音声を公開しました。

2018年にはイギリスの外相を務めていたジョンソン元首相も被害に遭い、公共放送BBCは「イギリス政府はいたずら電話がロシア政府の支援を受けたものとみている」と伝えています。