核のごみ「政府の責任で最終処分」新たな基本方針を閣議決定

政府は、原子力発電にともなって発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」について、「政府の責任で最終処分に向けて取り組む」と明記した新たな基本方針を28日の閣議で決定しました。

「核のごみ」は、地下300メートルより深くに最終処分場を設けて埋める「地層処分」を行うことが法律で決まっていて、3年前に北海道の2つの自治体で処分地の選定に向けた調査が始まりましたが、その後は調査地点が増えず、選定が進むかは不透明な状況です。

28日、閣議決定された新たな基本方針では、「政府の責任で最終処分に向けて取り組んでいく」と明記し国が前面に出て処分地の選定を進める姿勢を強調しています。

そのうえで、処分事業を行うNUMO=原子力発電環境整備機構や電力会社と合同で、全国の自治体を訪問するなどして現在調査が行われている地域に加えて、複数の地域での調査の実施を目指すとしています。

基本方針の改定は8年ぶりで、政府は調査地点を増やすことで、全国的に理解を広げて処分地の選定を前に進めたい考えです。

松野官房長官「政府一丸かつ政府の責任で最終処分」

松野官房長官は、関係閣僚会議で「高レベル放射性廃棄物の問題は原子力を活用していくうえで極めて重要な課題で、国民が懸念していることの1つだ」と指摘しました。

そのうえで「文献調査の実施地域の拡大を目指し、緊密な連携のもと、政府一丸となって、かつ政府の責任で最終処分の実現に向けて取り組んでほしい」と述べ、新たな基本方針を踏まえ、早急に取り組みを進めるよう指示しました。