部活動の地域移行 中高生は賛成も経済的負担の増加には懸念

今年度から段階的に始まった、休日の部活動の地域移行についてアスリートを支援する団体が中高生などにアンケートした結果地域への移行に賛成するという回答が反対を上回ったことが分かりました。一方で、経済的な負担の増加については反対が賛成を上回り、部活動の当事者である中高生は地域移行に伴う経済的な負担を懸念している実態が浮かび上がりました。

部活動と教員の働き方改革を両立させるため、国は中学校の休日の部活動を、地域のスポーツクラブなどに移行していく取り組みを今年度から段階的に始めています。

これについてアスリートを支援する社団法人「スポーツを止めるな」は、去年12月、オンラインでアンケートを行い全国の中高生1114人を含む1201人から回答を得ました。

この中で、地域クラブへの移行の賛否を尋ねたところ、「賛成」と「やや賛成」があわせておよそ40%だったのに対し、「反対」と「やや反対」が20%となり、賛成が反対を大きく上回りました。

賛成する人からは▽より専門的な知識を得られ、競技力向上につながるとか、▽地域との交流も深まるといった期待の声が寄せられました。

一方で、活動費用がかかり、経済的な負担が増える可能性があることについてはおよそ26%が反対し賛成のおよそ18%を上回る結果となりました。

反対の理由としては▽親に負担がかかり、スポーツをやめざるを得なくなるとか、▽家庭の経済状況による教育格差が生じてしまう、といった声が挙がっています。

団体はこのアンケートの結果をスポーツ庁に提出したということで、スポーツ庁の担当者は「具体的なニーズは地域差が出るものなので、各自治体に課題を確認してもらい、取り組みを着実に進めていきたい」と話しています。