福島第一原発処理水 発生量減も 放出の開始時期に変更なし

東京電力は、福島第一原子力発電所の処理水について、発生量が減っているとして、ことし夏から秋ごろと見込んでいた保管用タンクが満杯になる時期を、来年2月以降に見直しました。一方で、薄めて海への放出を始める時期は、ことし夏ごろまでとする計画に変更はないとしています。

福島第一原発では、溶け落ちた核燃料デブリを冷却するための注水や、原子炉建屋などへの雨水や地下水の流入によって汚染水が発生し、ここから放射性物質の大半を取り除いたあとに残るトリチウムなどを含む処理水が増え続けています。

敷地内の1000基余りのタンクで保管していますが、その量は、今月20日時点で容量の97%にあたるおよそ133万トンに達しています。

東京電力は、タンクが満杯になる時期をことし夏から秋ごろと見込んでいましたが、27日開いた会見で、来年2月から6月ごろに見直したと明らかにしました。

これまで、汚染水が1日140トン前後発生すると計算していましたが、昨年度は降水量が少なかったほか、敷地内の地面をアスファルトで舗装するなどの対策を進めた結果、一日当たりおよそ90トンと、初めて100トンを下回り、タンクの容量に余裕ができたとしています。

一方、処理水を基準を下回る濃度に薄めたうえで海への放出を始める時期については、政府の方針に従い、ことし夏ごろまでとする計画に変更はないとしています。