ロシア軍 南部ザポリージャ原発敷地内に陣地築いたか 英国防省

ウクライナ情勢をめぐり、ロシア軍が南部ザポリージャ州の原子力発電所の敷地内に戦闘のための陣地を築いたとイギリス国防省が指摘しました。ウクライナ軍の大規模な反転攻勢に備え、警戒を強めているものとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、SNSで、南部ミコライウ州で夜間、ロシア軍の黒海艦隊から攻撃を受け、ビルや住宅などが破壊され、市民1人が死亡し、23人がけがをしたと明らかにしました。

また、ゼレンスキー大統領は、ウクライナのチョルノービリ原子力発電所の事故が起きてから26日で37年を迎えたのに合わせて、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長とも電話で会談し、ロシア軍が占拠している南部のザポリージャ原発を取り戻すことの重要性を強調しました。

そのザポリージャ原発についてイギリス国防省は27日、衛星写真の分析から先月までにロシア軍が敷地内の6つの原子炉の建屋の屋根に土のうを設置し、戦闘のための陣地を築いたと指摘しました。

そして、「ロシアが戦術的な防衛計画の中に、原子炉の建屋を組み込んだことを示す最初の兆候だ。戦闘が起きれば安全システムが損傷される可能性が高まる」と懸念を示しました。

ウクライナ軍が南部の州などで大規模な反転攻勢を仕掛けるとされる中、ロシア軍が警戒を強めているものとみられます。