寒暖差大きい4月、何を着て行けば…“春バテ”も

真夏日で汗をかく日もあれば、朝晩冷え込む日も。

「きょうは何を着れば…」

着るもの選びに悩むという人も少なくないのではと思います。

ことしの寒暖差は平年以上?衣がえ、まだしないほうがいい?
連休にかけての気温や天気は?

詳しく取材しました。

上着を着ると暑い、半袖だと寒い…

このところの寒暖差にみなさんどう対応しているのか、東京・渋谷で聞いてみると。

(就活中の20代女性)
「上着を着たら暑かったとか、半袖で寒かったとか気温差が激しいので服選びに悩むことが最近すごくある。基本的にその日の気温を見るようにはしているが、いつもは見られないので難しいです」

(50代女性)
「寒い日は首元を冷やさないようにスカーフを巻いたり、カーディガンを重ね着したりして対応しています」

“春バテ”訴える人も

急な気温の変化は健康面への影響も。
東京・北区のクリニックでは、体調不良を訴える人が増えているということです。
東京・北区の「いとう王子神谷内科外科クリニック」では、今月19日から翌日にかけて、急に気温が上昇したことから立ちくらみなどの熱中症の疑いのある患者が8人訪れたということです。

4月に熱中症の症状で複数の患者が訪れるのは異例で、患者にこまめな水分補給などを呼びかけたということです。

一方、今週に入ると気温が低下し、けん怠感や頭痛、食欲不振などを訴えて来院する患者が増え、25日までの2日間で少なくとも13人が来院したということです。

クリニックの伊藤博道院長は、こうした症状について、自律神経の調節機能が疲労することに伴う、いわゆる“春バテ”だと話しています。
伊藤博道院長
「日によって暑い日と冷たい雨の日が混在するので、自律神経の調節機能が疲労してさまざまな症状がおきる“春バテ”になる。ことしは寒暖差が早い時期に顕著に起きたので、そうした症状の人が多い」

そのうえで伊藤院長は予防策として、次のように話しています。

「良質な睡眠をとるために寝る直前までテレビやスマートフォンの画面を見ないことや、入浴の際はほどよい温度の湯船にゆっくりつかってもらうなど、この季節は特に乱れた生活を正して、規則正しい生活を送ることが重要だ」

ことしの寒暖差、平年よりも大きい?

気象庁に取材すると、寒暖差そのものは平年と大きく変わらず、「ことしは平年よりも最高気温が高い日が続いたため、寒暖差が大きいと感じるのではないか」と話しています。
気象庁によりますと、例年この時期は高気圧と低気圧が交互に日本付近を通過することから寒暖の差が激しく、3月26日から4月25日までの1か月間で、最高気温と最低気温の差が10度以上ある日は東京では16日間記録されています。

ただ、この時期の1日の気温差の平年値は9.8度で、10度くらいの差がある日は珍しくないということです。
一方、同じ時期で最高気温が平年よりも高い日は23日間と過去5年間で最も多かったことから、平年以上に暖かい日が続き、暖かい気候に体が慣れたあとに朝晩の寒さが戻ったことでいつもより寒暖差が大きいと感じる人が増えたり、体調を崩す人が出たりしたのではないかと考えられるということです。

気象庁によりますと、この寒暖の周期は少なくとも大型連休の前半までは続く見込みということで、必要に応じて服装を調整したり、場合によっては予定を変更したりするなど対策をとってほしいとしています。

衣替えをどうする…悩む人も

こうした中、街で話を聞いた人たちからは、冬物の衣替えをどうすればいいか悩む、といった声も聞かれました。

(20代男性)
「気温差が激しくTシャツを着る日もあれば長袖の日もあり、クローゼットをそのたびに開けたり閉めたりしなければいけないのが大変。ついこないだ急に寒くなった日は、ダウンジャケットを出しました」

(50代女性)
「昔は子どもたちの分もあわせて1日がかりですべて衣替えをしていたが、季節がわからなくなってきているのでいつでも何でも出せるように最近は衣替えをするのをやめました」

「衣替えは“段階的”に」

衣替えのコツについて、家庭のクローゼットの収納などに詳しいアドバイザーの鈴木久美子さんに聞きました。

鈴木さんは寒暖差が大きい季節は一度に衣替えをするのではなく、段階的に冬物をしまうことが大切だと話しています。

具体的には、季節の変わり目の4月中にはウールやダウンなど真冬用の衣類はクローゼットの奥にしまう一方で、ニットや羽織物などは寒暖差に合わせて着られるよう、すぐ取り出せる場所に収納するなど、段階的に衣替えをすることがポイントだということです。

また、湿気の多い時期に向けた対策として、以下の工夫で、通気性を意識した収納をしてカビなどを防止することも大切だと話しています。

 ▼クリーニング後にかけられた袋は必ず外す
 ▼衣類と衣類の間の間隔を空ける
 ▼連休前に除湿剤を用意する
鈴木久美子さん
「段階的な衣替えをするうえで、大型連休は冬物の衣類を見直すいい機会です。服の量を見直し、クローゼットの大きさにあわせて調整することで、大がかりな衣替えの必要もなくなりこれからの時期の湿気対策にもつながります」

このあと大型連休中の天気はどうなる?

気象庁によりますと、大型連休中も低気圧と高気圧が交互に日本の上空を通過することから、周期的に天気が変化するということです。

4月30日ごろには日本海で低気圧が通過するのに加え、低気圧の南に前線があることから全国の広い範囲で雨が降る見込みですが、その後は高気圧に覆われて天気が回復し、晴れの天気が続くということです。

夏にかけては「平均気温が高めの傾向」

さらにその後、夏にかけての天気はどうなのでしょうか。

気象庁が発表した長期予報によりますと、来月からの3か月は全国的に気温が平年並みか平年より高くなる見通しです。

熱中症は暑さに慣れていない5月ごろからリスクが高まることから気象庁はエアコンの試運転など早めの対策を呼びかけています。

気象庁によりますと、来月からの3か月間は、大陸にある高気圧の東への張り出しが平年より強く、東日本と西日本、沖縄を中心に暖かい空気に覆われやすい見込みです。

3か月を通した平均気温は▽東日本、西日本、それに沖縄・奄美で平年より高く、▽北日本で平年並みか高いと予想されています。

月別に見ますと
▽5月は全国的にほぼ平年並み、
▽6月は西日本と東日本で平年より高く、
 北日本と沖縄・奄美で平年並みか高い、
▽7月は北日本はほぼ平年並みで、
 そのほかの地域はいずれも平年並みか高いと
予想されています。

湿った空気が入り込みやすい時期も

一方、梅雨の時期を含めた3か月間の降水量は全国的に「ほぼ平年並み」と予想されています。

ただ、太平洋高気圧の張り出しが弱いため、西日本から北日本にかけては暖かく湿った空気が入り込みやすい時期があり、梅雨の終わりごろは大雨となるおそれもあるとしています。

気象庁異常気象情報センターの楳田貴郁所長は「気温が平年より高い傾向が予想されています。エアコンの修理依頼が殺到することもあるので、動作確認をしてもらうなど早めの熱中症対策を心がけてもらいたい」と話しています。