雇用調整助成金の特例措置 “効果検証を” 審議会などで議論へ

新型コロナの影響で支払いが膨らんだ雇用調整助成金の特例措置について、加藤厚生労働大臣は、新たな感染症など次の危機管理に備えるためには効果の検証が必要だとして、厚生労働省の審議会などで議論を進めていく考えを示しました。

雇用調整助成金は、売り上げが減少しても企業が従業員の雇用を維持した場合に国が助成する制度で、政府は、新型コロナに対応するため、特例措置を設けて、支給要件の緩和や上限額の引き上げを行っていました。

感染拡大後の支払い決定額は6兆3000億円を超えていて、厚生労働省は社会経済活動が元に戻りつつあることなどから、昨年度で特例措置を終了し、今月から通常の運用に戻しています。

加藤厚生労働大臣は、記者会見で「特例措置は雇用と暮らしの安定に貢献したと考えているが、緊急的な政策が長期化したことで、人材活用が進まなかったなどの指摘もある」と述べました。

そのうえで「新型コロナの雇用支援策を検証し、次の危機管理対応に備えることが必要だ」と述べ、特例措置の効果を検証するため、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」に分析を依頼するとともに労働政策審議会でも議論を進めていく考えを示しました。