3月の金融不安でアメリカの地方銀行の一つ 約10兆円の預金流出

先月、アメリカで銀行破綻が相次ぎ金融不安が広がっていたさなか、経営への懸念が高まっていた地方銀行「ファースト・リパブリック・バンク」は、およそ10兆円もの預金が流出していたことを明らかにしました。

これは、西部カリフォルニア州に拠点を置く「ファースト・リパブリック・バンク」が24日の決算発表で明らかにしたものです。

それによりますと、3月末時点の預金残高は、去年の年末時点と比べて719億ドル、日本円でおよそ9兆6000億円減少しました。

銀行の預金全体のおよそ4割が流出したとしています。

先月は、「シリコンバレーバンク」など、銀行の相次ぐ経営破綻で金融不安が広がっていました。

マイケル・ロフラーCEOは決算説明会で「前例のない預金の流出を経験した」と述べています。

当時、経営への懸念が高まった「ファースト・リパブリック・バンク」は、11の大手金融機関から経営への支援策として、合わせて300億ドルの預金を受け取りました。

アメリカのメディアは、これを除けば1000億ドル、13兆円を超える預金が流出していたと報じていて、金融不安に伴う預金流出の速さが改めて示された形です。

銀行ではコスト削減策として、ことし6月までの3か月間に従業員をおよそ20%から25%減らす見込みだとしています。