東京 八王子 看護師逮捕の精神科病院 都が近く改善命令へ

看護師による入院患者への暴行事件が起きた東京 八王子市の精神科の病院について、都は、病院の管理体制が不十分で、虐待を早期に把握できていなかったなどとして、近く、改善命令を出す方針を固めました。

東京 八王子市にある精神科の病院「滝山病院」では、去年、入院患者を暴行したとして、複数の看護師が逮捕されるなどしています。

事件を受けて、病院の指導を行う都は、4回にわたる立ち入り検査や病院関係者への聞き取り、それに、職員へのアンケートを行うなどして、調査を進めてきました。

関係者によりますと、聞き取りに対し、病院管理者である院長は虐待があったことを認めているということです。

また、アンケートの結果、虐待が行われていたことを見たり聞いたりしたと回答した職員が複数いたこともわかりました。

都は、虐待があったにもかかわらず、病院の管理体制が不十分で、早期に把握できていなかったなどとして、近く、病院に対し、法律に基づき改善命令を出す方針を固めました。

病院は改善に向けた取り組みを進める意向を示しているということで、都は、再発防止に向けた具体的な対策を講じるよう計画の提出を求めることにしています。

「滝山病院」めぐる経緯

「滝山病院」では、50代の男の看護師が入院患者の頭を殴ったとして、ことし2月、暴行の疑いで警視庁に逮捕され、病院も捜索を受けました。

その後も2人の看護師が患者を暴行したとして逮捕されるなどしています。

NHKが入手した病院内部で撮影された映像では、医療スタッフとみられる人物がベッドに横たわる患者が声をあげたあと「しゃべるな」などと言い、頭の辺りを殴る様子が写されています。

このほか、別のスタッフが患者の頭を何度もベッドに押さえつける様子や、さらに別のスタッフが声をあげた患者の顔を「うるさい」と言いながら枕でたたく様子なども記録されています。

病院の指導を行う都は、これまでに抜き打ちを含めて4回立ち入り検査をしたほか、職員や患者への聞き取り、それに、職員へのアンケート調査を行って、実態の解明を進めてきました。