【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(24日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

英国防省「占領地域でロシアのパスポート強制はほぼ確実」

イギリス国防省は24日に発表した分析で「ロシアはウクライナの占領地域でロシアのパスポートを受け入れるよう人々に強制していることはほぼ確実だ。南部ヘルソン州の住民は6月1日までにパスポートを受け入れなければ『強制送還』し、財産を差し押さえると警告されている」と指摘しました。

その背景として「とりわけ2024年のロシアの大統領選挙に向けてこの侵攻が成功したと描くため、占領地域をロシアの官僚制度の中に統合することを進めている可能性が高い」と分析しています。

ロシアが去年9月に一方的な併合に踏み切ったウクライナの東部と南部の4つの州について、プーチン大統領は先月、住民を保護するためだとして法律の整備を急ぐよう指示し、この地域に住む人たちがロシア国民であることを証明するパスポートを早急に受け取れるようにすべきだと強調しています。

ウクライナ軍 ロシア支配の南部地域で陣地築いたか

ウクライナ南部では22日、ロシア側が占拠するザポリージャ州の主要都市メリトポリの鉄道施設で爆発が起きたと伝えられています。ロシアが一方的に併合したクリミアのロシア側の幹部は「24日の早朝、軍港都市セバストポリで2隻の無人水上艇による攻撃があったが1隻を破壊し、もう1隻は自爆した」とSNSに投稿しました。

南部のヘルソン州を巡っても、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシアが支配するドニプロ川の東岸の一角に、ウクライナ軍が陣地を築いた可能性があると分析していて、今後の反転攻勢の足がかりの1つとなるのか関心を集めています。

こうした動きに対してロシア側は警戒を強めているとみられ、イギリス国防省は今月12日、ザポリージャ州でロシア側はおよそ120キロにわたって3重にもなる大規模な防衛線を築いていると分析しています。

ロシア軍 東部激戦地の完全掌握急ぎ攻勢か

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して1年2か月となった24日、ウクライナ軍の参謀本部は、ロシア側は、東部ドネツク州のバフムト、アウディーイウカ、マリインカに攻撃を集中させていると指摘しました。

ロシア側は、バフムトの完全掌握を急ぎ、攻撃を強めているとみられ、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は23日「ロシアの指導部は、ウクライナ軍の反転攻勢が始まる前に占領を完了させることを優先している」と分析しています。

米シンクタンク「ウクライナ軍 大規模な反撃を準備」

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ軍の反転攻勢について「9つの旅団が準備されていると伝えられている。ウクライナがこれまで試みたどの反撃よりも大規模だ」と指摘しています。

反転攻勢で投入される兵士の規模は4万人前後という見方があり、アメリカ政府もこの数か月の間に各国からあわせて230両以上の戦車がウクライナに供与されたと明らかにしていて、ウクライナ側は南部などで反転攻勢に向けた準備を進めているとみられます。

世界の軍事費 前年比3.7%増 ロシアの軍事侵攻など要因

世界の軍事情勢を分析しているスウェーデンのストックホルム国際平和研究所は24日、2022年の世界全体の軍事費が前の年と比べて3.7%増えて、2兆2400億ドル、日本円にしておよそ300兆円に達し1988年以降、最も高くなったと発表しました。研究所は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などが要因だと指摘しています。

このうちウクライナの軍事費は、前の年より640%増えて440億ドル、日本円にしておよそ5兆9000億円となりました。

ロシアも、9.2%増えて推計で864億ドル、日本円にして11兆5000億円余りとなっています。

ロシアの周辺国は、フィンランドでは36%、リトアニアで27%、スウェーデンで12%増加しています。

このほか、アメリカは0.7%の増加にとどまる一方で、中国は4.2%増え、28年連続の増加となりました。
中国の軍事費は、2013年と比較すると63%増えているということです。

日本は5.9%増えて1960年以降、最も高い水準だとしています。

一方、世界全体の軍事費の支出の内訳をみると最も多いのはアメリカで全体の39%を占め、次いで中国、ロシアとなっていて、この3か国だけで総額の56%を占めるということです。

軍事費が増えている理由についてストックホルム国際平和研究所は、
▽ウクライナへの軍事支援やロシアへの恐怖が高まっていることへの懸念のほか
▽東アジアでの緊張が影響していると分析しています。

ゼレンスキー大統領が前線兵士に謝意 国民には結束呼びかけ

ウクライナのゼレンスキー大統領は、23日に公開した動画で「平穏な毎日は、過酷な戦いを続けている兵士たちのおかげだ」と述べ、前線で戦う兵士に謝意を示しました。

そのうえで「必要な際には兵士たちを助け、できるかぎりウクライナの国土防衛を支えてほしい」と述べ、戦闘のさらなる長期化に向けて国民に改めて結束を呼びかけました。

駐仏中国大使 “主権国家である合意ない”発言 バルト三国反発

フランスに駐在する中国の盧沙野大使は21日、放送されたフランスのテレビのインタビューの中で、ウクライナ情勢についての質問に答えました。

この中で盧大使は、ロシアが一方的に併合したウクライナのクリミアの帰属について見解を問われると、明確に答えることを避け、さらに「旧ソビエト諸国が主権国家であることを具体的に定めた国際的な合意はない」などと述べました。

この発言をめぐって、ウクライナなどとともに旧ソビエトから独立したバルト三国が強く反発しています。
このうちリトアニアの外務省はツイッターで、自国に駐在する中国の代理公使を呼び、説明を求めることを明らかにしました。
ランズベルギス外相も「なぜわれわれが中国によるウクライナ和平の仲介を信用しないのか、疑問に思う人がいるならば、この中国大使の発言を聞いてほしい」などと投稿し、不快感をあらわにしました。
またラトビアのリンケービッチ外相も「まったく容認できない。中国側の説明と発言の撤回を求める」とツイッターに投稿し、24日にルクセンブルクで行われるEU外相会議でこの発言を取り上げ、中国側の姿勢を厳しく問う意向を示しています。

“ロシア軍 支配地域の防衛態勢整えられず” 米シンクタンク

プーチン大統領は、およそ1年前から占領し続けるドネツク州の要衝マリウポリのほか、南部ヘルソン州でロシアが掌握する街などを先月以降相次いで訪れ、支配を誇示するねらいがあるとみられます。

また、ロシア国防省は23日、東部ドネツク州の激戦地バフムトの西側で新たに2つの地区を掌握したと主張し、徹底して攻撃を続けていく構えです。
こうした状況についてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は22日、「ロシアの軍幹部は、ウクライナによる反転攻勢の脅威を認識しているようだが、プーチン大統領が固執する東部での無意味な攻撃作戦に兵士を投入し続けているとみられる」と指摘しました。

そのうえで、ロシア軍は精鋭部隊を消耗戦に費やし、支配地域の防衛態勢を整えられずにいる可能性が高いと分析しています。
一方、ウクライナ南部では22日、ロシア側が占拠するザポリージャ州の主要都市メリトポリの鉄道施設で爆発が起きたと伝えられました。

また「戦争研究所」は、ロシア側の情報をもとにヘルソン州でロシアが支配するドニプロ川の東岸の一角に、ウクライナ軍が陣地を築いた可能性があると指摘し、今後の反転攻勢の足がかりとなるのか注目されます。

兵士確保に追われるロシア SNSなどで動画広告

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して1年2か月と長期化し、深刻な兵員不足も指摘される中、プーチン政権は兵士の確保に追われています。ロシア国防省は、契約軍人の募集活動を活発化させていて、SNSや国営テレビを通じて動画の広告まで展開し始めました。

広告は複数のパターンがあり、中には欧米との対決姿勢を強調しながら「祖国は引き裂かれようとしている。未来を守れ。傍観していたら子どもたちはあなたを許さない」などと訴えていて、いずれの広告でも最後に日本円にして30万円余りの報酬を毎月得られるとアピールしています。

ロシアでは新たに40万人の志願兵を集めようとしているとも伝えられ、首都モスクワ市内では、民間軍事会社ワグネルが戦闘員を募集する広告まで現れています。

こうした動きについてイギリス国防省は23日、「ロシアの当局が国内の反発を最小限に抑えるため、強制力を伴う追加の動員をできるだけ遅らせようとしているのはほぼ間違いない」としたうえで、国防省が40万人を集められる可能性は極めて低いと分析しています。