福島第一原発 放射性物質に汚染の配管 撤去作業が難航

東京電力福島第一原子力発電所では、事故の際に高い濃度の放射性物質に汚染された配管を撤去する作業が去年3月から行われていますが、相次ぐトラブルで、当初の予定を1年以上過ぎても終わらず、廃炉作業の難しさが改めて浮き彫りになっています。

撤去が進められているのは1号機と2号機に設置されている「SGTS配管」と呼ばれる配管で、12年前の事故当時、放射性物質を含む気体を放出する「ベント」という操作をした際、内側が汚染されました。高い放射線量のため撤去作業は遠隔で行われています。

135メートルほどの部分を26本に切断する計画で去年3月に始まり、当初ひと月以内に終える予定でしたが、装置の刃が配管に食い込んで動かなくなるなどしてたびたび中断し、切断できたのは1回にとどまっています。

このため東京電力は工程を見直し、当面、廃炉作業の妨げとなる97メートルの部分を、来月末までに撤去するとして、今月19日に作業を再開しました。

しかし、その後も装置をつり上げる大型クレーンの部品に不具合が見つかるなどして再び中断するなど、作業は難航しています。

東京電力は対策を取ったうえで計画どおり終えるとしていますが、クレーンでの遠隔作業ができなくなった場合、作業員が高所作業車に乗って近づき切断する方法も検討していて、廃炉作業の難しさが改めて浮き彫りになっています。