新型コロナ 国際的対応考えるシンポ 公平性確保の仕組みを

新型コロナに対するこれまでと今後の国際的な対応について考えるシンポジウムが開かれ、WHO=世界保健機関で対応を行った医師がワクチンの開発などで素早い対応が行われた一方、途上国には十分に行き渡らなかったとして、今後、公平性を確保する仕組みが必要だと訴えました。

シンポジウムは22日、日本医学会総会の中で開かれました。

この中では、WHOで事務局長補として新型コロナ対応にあたった国際医療福祉大学大学院の山本尚子教授が、感染が広がり始めた直後の2020年1月にウイルスの遺伝情報が登録され、ワクチンの開発が始まるなど、素早い対応が行われた一方、ワクチンの接種率については「2022年半ばまでにすべての国で70%以上」としたものの、所得の低い国々では行き渡らず、低い接種率にとどまったと振り返りました。

そのうえで、山本教授はワクチンや治療薬に公平にアクセスできる仕組みを作るために「G7の議長国としての日本のリーダーシップに期待したい」と述べました。
また、アメリカ政府の首席医療顧問として対策を主導したアンソニー・ファウチ博士はビデオメッセージを寄せ、今後もコロナの根絶や排除はできないとして「最善の対応は社会を混乱させない程度に抑えることだ。インフルエンザと同様のワクチンの追加接種やマスクの着用といった常識的な感染対策、換気を続けることで達成できると信じている」と話していました。