【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(22日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる22日(日本時間)の動きを詳しくお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米 オースティン国防長官 各国連携し支援継続強調

ウクライナへの軍事支援について欧米など各国が話し合う会合がドイツで開かれ、アメリカのオースティン国防長官は、ロシアのミサイル攻撃を防ぐ防空能力が必要になっているなどとして、各国で連携しながら支援を続けていく考えを強調しました。

この会合は、ロシアによる軍事侵攻が始まって以降、ウクライナへの軍事支援を協議するためアメリカが主導して定期的に開いているもので、21日、ドイツ西部にあるアメリカ軍基地に50か国以上の代表が集まりました。

会合の冒頭、アメリカのオースティン国防長官は、各国の軍事支援の総額がこれまでに550億ドル、日本円にして7兆3000億円以上にのぼると明らかにしました。

そして「ウクライナは、ロシアのミサイルの脅威から市民や軍隊を守るための支援を緊急に必要としている。われわれはともにウクライナを支援していく」と述べ、ロシアのミサイル攻撃を防ぐ防空能力が必要になっているなどとして、各国で連携しながら支援を続けていく考えを強調しました。

ウクライナに供与した戦車の整備拠点 ポーランドに設置へ

ドイツのピストリウス国防相は21日、ドイツ西部のアメリカ軍基地で報道陣に対し、ヨーロッパ各国がウクライナへの供与を進めるドイツ製の主力戦車「レオパルト2」の整備や修理を行う拠点を、隣国のポーランドに設けることを明らかにしました。

21日に開かれたウクライナへの軍事支援を話し合う会合にあわせてドイツ、ウクライナ、ポーランドの3か国が合意したということで、ピストリウス国防相は、5月末ごろには拠点が稼働できるようになるとの見通しを示しました。

また費用については、ウクライナを支援する国で負担することになると説明したうえで、ウクライナの反転攻勢を念頭に「整備の需要は高まるだろう」と述べました。

「レオパルト2」は、保有するヨーロッパ各国が相次いで供与を表明し、このうち、ドイツやポーランドなどの「レオパルト2」は、すでに引き渡されています。

ロシア バフムト掌握ねらい攻撃を一層激化

ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトでは、掌握をねらって侵攻を続けるロシア側の攻撃が一層激しくなっています。

ロシア国防省は21日、空てい部隊が支援しながら突撃部隊が街の西側で戦闘を続けていると主張しました。

ロシア側はバフムト市内を南北に流れる川の東側を掌握したあと、さらに部隊を進めているとしていて、民間軍事会社ワグネルの代表は、4月11日、市内の80%以上を掌握したと主張しています。

これに対して、ウクライナのマリャル国防次官は21日、SNSでバフムトではロシア側が建物を破壊しながら前進し、情勢は緊迫しているとしながら、一部で反撃にも出ていると強調しています。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長が、ウクライナの将来的なNATO加盟を支持する考えを示したことについて21日、記者団に「ウクライナを飲み込み、同盟に引き込もうとしているのは明らかだ」と反発しました。

そのうえで「大統領は特別軍事作戦を開始するずっと前からこの潜在的な脅威について話してきた。われわれはロシアを敵とみなし、国の安全保障を侵害する侵略的な組織を相手にしている」と述べ、軍事侵攻を改めて正当化しました。