スーダン 準軍事組織 “72時間停戦に合意” 日本時間13:00から

アフリカのスーダンで軍との間で戦闘を続けている準軍事組織のRSF=即応支援部隊は、イスラム教の断食月、ラマダン明けの祝日に合わせて、72時間の停戦に合意したと21日、SNSで発表しました。

停戦期間は、現地時間の21日午前6時、日本時間の午後1時からで、市民の避難を可能にするためだとしています。

一方、スーダン軍は停戦についてまだ発表をしていません。スーダン情勢をめぐっては国連のグテーレス事務総長も20日、「市民が脱出できるよう、少なくとも3日間の停戦を求める」と述べ、ラマダン明けの祝日にあわせて停戦するよう呼びかけていました。

準軍事組織RSFとは

準軍事組織のRSF=即応支援部隊は、「ジャンジャウィード」と呼ばれる民兵組織を前身としています。

2003年に勃発し、およそ30万人が死亡したスーダン西部のダルフール紛争の際、当時のバシール政権が全面的に支援して設立し、反対派の弾圧にあたったとされています。

その後、RSFは準軍事組織として軍の傘下に入りました。

国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、RSFが政権への反対派を制圧する作戦の過程で民間人の殺害や略奪といった戦争犯罪にあたる行為に及んだとして、2015年ごろ、非難する声明を出しています。

RSFについてロイター通信は、専門家の分析として兵力は10万人規模だとして、航空戦力などでは軍を下回ると指摘しています。

イギリスの公共放送BBCは、スーダンに詳しい専門家の話として、RSFは、支配下に置いた金鉱を主な資金源として成長を続け、2015年までに1万台を超える武装したトラックを備えるなど、勢力を強めていったと伝えています。

また、RSFはサウジアラビアとイランの事実上の代理戦争となっているイエメンの内戦に、サウジアラビア側として部隊を派遣するなど国外にも活動の場を広げていったということです。

スーダンではおととしクーデターが発生し、軍が実権を握り、統治機構のトップには軍を率いるブルハン司令官が就任しましたが、ナンバー2には、RSFのダガロ司令官が就きました。

クーデターのあと、軍とRSFの間では民政移管に向けて軍の再編などの協議が進められてきましたが、この過程で主導権争いが生じ、ブルハン氏とダガロ氏との確執も取り沙汰されていました。