NATO事務総長がウクライナ訪問 大統領と会談 将来的な加盟支持

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はロシアによる軍事侵攻後初めてウクライナを訪れてゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナの将来的なNATO加盟を支持する考えを改めて示しました。

20日にウクライナを訪問したNATOのストルテンベルグ事務総長は、ゼレンスキー大統領と会談しました。

会談では、NATO加盟国によるウクライナへの軍事支援や、ウクライナ軍とNATO側との相互運用性を高めるための支援などについて意見を交わしたということです。

会談後の共同記者会見で、ストルテンベルグ事務総長はロシアの侵攻について、「人々の住まいや病院、子どもの遊び場や発電所などを攻撃し、1年以上にわたって、はかりしれない苦しみをもたらし続けている」と述べて非難しました。

そのうえで「ウクライナがいるべき場所はNATOだ。時がたつにつれ、それが可能となるよう、われわれは支援していく」と述べ、ウクライナの将来的な加盟を支持する考えを改めて示しました。

去年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、ストルテンベルグ事務総長がウクライナを訪れたのは今回が初めてです。

ゼレンスキー大統領「NATOに加盟する以外の選択肢はいらない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATOのストルテンベルグ事務総長との会談のあと、共同記者会見で射程が長い兵器などの供与を決めていない一部のNATO加盟国への働きかけを求めたことや7月にリトアニアで開かれるNATO首脳会談に招待されたことを明らかにしました。

その上でゼレンスキー大統領は「兵器支援に私たちは大変感謝しているがNATO加盟がいつになるのか私たちは知りたい。NATOに加盟する以外の選択肢はいらないし、妥協もしたくない」と述べ、7月の首脳会談でウクライナのNATO加盟に向けた具体的な見通しがたつことが重要だとする考えを強調しました。