ウクライナ 軍事支援受け反転攻勢の構え ロシアは防衛に重点か

ウクライナ軍は欧米の軍事支援を受け、大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示しています。これに対し、ロシア側は東部で侵攻を続ける一方、南部では新たな部隊を編成し、支配地域の防衛に重点を置いていることがうかがえます。

ロシアが侵攻を続ける中、ウクライナのレズニコフ国防相は地対空ミサイルシステム「パトリオット」がウクライナに到着したことを19日、明らかにしました。

「パトリオット」はアメリカやオランダ、それにドイツから引き渡されたということで、ロシア軍のミサイルや無人機に対する防空能力の強化に期待が示されています。

またウクライナ側は今後、大規模な反転攻勢に踏み切る構えで、これについて、マリャル国防次官は「『あす反撃を開始する』などと発表することはない」と述べました。

そして、ロシア側が東部ドネツク州のリマン、バフムト、アウディーイウカ、それにマリインカに戦力を集中させていると指摘し、ウクライナ側はすでに一部の反撃を実行していると強調しました。

これに対しロシア側は、南部ヘルソン州と東部ルハンシク州の支配地域をプーチン大統領が訪問したと18日に発表しています。
これについて、イギリス国防省は20日に発表した分析で、プーチン大統領がヘルソン州を訪問した際、ロシア語で「ドニエプル」部隊とする新たな部隊が紹介されたと指摘しました。

イギリス国防省はこの部隊について、南部のロシア側の支配地域、特にドニプロ川の沿岸を防衛し、ウクライナ軍の反転攻勢に備える任務が与えられているという見方を示しています。

ウクライナ軍の参謀本部は20日の発表で「敵は、南部のザポリージャ州とヘルソン州の方面で防衛作戦を続けている」と指摘し、ロシア側は、東部で侵攻を続ける一方、南部では支配地域の防衛に重点を置いていることがうかがえます。