安倍元首相銃撃 公判前整理手続き公開を ジャーナリストら団体
去年、安倍元総理大臣が銃撃された事件で、殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の裁判についてジャーナリストらで作る団体が、透明性を高めるために事前に争点を絞り込む手続きから公開するよう求める要望書を裁判所に提出しました。
奈良地方裁判所に要望書を提出したのは、ジャーナリストの江川紹子さんや弁護士らで作る団体です。
去年7月、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃された事件で、殺人の罪などで起訴された山上徹也被告(42)の裁判は裁判員裁判で行われる見通しで、その前には裁判所、検察、弁護士の三者で争点を絞り込む公判前整理手続きが行われます。
この手続きは通常、非公開ですが、団体は要望書の中で過去には報道機関などに公開されたケースもあるとしています。
そのうえでこの事件は国民の関心が高く裁判の透明性を高めるためにも、争点を絞り込む段階から手続きを一般に公開するよう求めています。

江川さんは記者会見で「この事件は多くの国民が裁判の内容を知り、その結果に納得することが大事だ。岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれた事件も起きたが、事実を明らかにして共有することで、同じような事件の再発防止へ、さまざまな知恵が出てくると思う。それが民主主義だし司法の役割だ」と訴えました。
奈良地裁「コメントは差し控える」
奈良地方裁判所の田中健治所長は「個別の事件について提出された書面についてのコメントは差し控える」としています。