
爆発物の容疑者 選挙制度等への不満 動機なのか慎重に捜査
和歌山市の漁港で選挙の応援に訪れていた岸田総理大臣に向かって爆発物が投げ込まれた事件で、容疑者が選挙制度を批判して国に裁判を起こしていたことが明らかになりました。一方、事件は現在もその裁判が続く中で起きていることから警察は選挙制度への不満が動機だったのかどうかや、いつごろから準備を進めていたのかなど、慎重に調べています。
この事件で威力業務妨害の疑いで逮捕された兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)が去年6月、法律が定める被選挙権年齢や供託金の規定は憲法違反だと主張して国に損害賠償を求める訴えを起こしていたことが18日明らかになりました。
また容疑者が投稿したとみられるツイッターでは現行の選挙制度を繰り返し批判しているほか、岸田総理大臣についても言及していました。
この民事裁判は去年11月、1審で訴えが退けられましたが、容疑者は控訴し、現在2審が行われています。
2審の判決は来月の予定で、警察は裁判がまだ続いている中で事件が起きていることから選挙制度などへの不満が動機なのかどうか慎重に調べています。
一方、事件で使われた爆発物は手製の爆弾とみられ、容疑者の自宅からは火薬とみられる粉末や金属製のパイプのようなものが見つかっています。
警察は事件の計画などいつごろから準備が進められていたのか、押収したパソコンやスマートフォンを分析して詳しく調べています。
調べに対し、黙秘を続けているということです。