“知的障害がある人が投票しやすく” 市職員が研修 東京 狛江

統一地方選挙後半戦を前に知的障害がある人が投票しやすい環境につなげるため、対応に当たる職員がコミュニケーションを学ぶ研修が、市議会議員選挙が実施される東京 狛江市で行われました。

障害などで字が書けない人は、投票所の担当者が誰に投票するかといったことを確認して代筆する「代理投票」の制度を活用して投票することもできます。

ただ、知的障害者の投票は、意思をどう把握するかといった課題も多く十分には進んでいないのが現状です。

このため、狛江市は、投票しやすい環境を実現しようと対応にあたる職員2人が市内の福祉作業所を訪れ、コミュニケーションの取り方を学びました。

このうち、納税課の田所究さん(38)は、車の部品に使う配線を束ねる作業をしていたダウン症の熊谷慎二さん(47)に作業手順などをたずねましたが、うまくコミュニケーションをとることができませんでした。

しかし、作業所の男性職員から「ごはんの話しとか趣味の話しとかそういうことから聞いてみたらいいですよ」とアドバイスされて、好きなことを聞いてみると、熊谷さんは、「野球やプロレスが好きです」と話し始めました。

その後はコミュニケーションがスムーズになり、田所さんは、分からないときにはジェスチャーもまじえてもらい笑顔で会話していました。

田所さんは、「聞きたいことだけをただ聞くのではなく、まず相手に合わせてみることの大切さに気付きました。投票所でも学んだことをいかしたい」と話していました。

狛江市の田部井則人総務部長は「投票は障害のあるなしにかかわらず誰もが持つ権利で、私たちはそれを正しく使ってもらえるように準備していきたい」と話していました。