キャンプ場で倒木 1人死亡 警察は樹木の専門家と現場を確認

相模原市のキャンプ場で16日、木が根元から倒れてテントに直撃し、中にいた29歳の女性が死亡するなどした事故で、警察は17日樹木の専門家とともに現場を確認しました。今後、倒れた原因や管理状況について調べを進めることにしています。

18メートルの木が倒れテントを直撃

16日午前3時すぎ、相模原市緑区の「新戸キャンプ場」で高さおよそ18メートル、太さ70センチほどの木が根元から倒れてテントに直撃し、中で寝ていた東京・武蔵野市の会社員、中村まりなさん(29)が死亡し、31歳の夫も胸の骨を折るなどの大けがをしました。

警察が樹木の専門家と現場を確認

警察は17日午後3時ごろから樹木の専門家とともに現場を調べ、▼折れた部分を撮影しながら▼ハンマーで幹を叩いて木の状態を確認していました。木が根元から倒れていることから警察は枯れたり根腐れを起こしたりしていた可能性があるとみて原因を調べるとともに、木の管理状況についてもキャンプ場側から話を聞いて調べることにしています。

危険な木の特徴は 樹木医に聞く

樹木医の和田博幸さんは木が枯れていると判断するポイントとして、▼新緑の時期に葉っぱがついていなかったり、新芽が出ていなかったりする場合や▼本来は伸びている枝が折れている場合、注意が必要だとしています。このほかに根が腐っていると判断するポイントとして▼「ベッコウタケ」など、木の根の中の組織を腐らせる種類のキノコが根元に近い部分に生えている場合や、▼木が簡単に揺れる場合は注意が必要だということです。和田さんは、「キャンプ場の管理者は年に一度は点検し具合が悪そうな木は診断することが大切だ。人が集まる場所では特に木の点検を行い、状況を確認することが大切だと思う」と話していました。

キャンプ人口は回復傾向

日本オートキャンプ協会の調査で1年に1回以上キャンプをした人は、2019年までは増加傾向にあり、この年は860万人でした。その翌年、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年になると、多くのキャンプ場が臨時休業した影響などで、610万人まで落ち込みました。一方、次の年の2021年になると、750万人まで回復しています。日本オートキャンプ協会は、「コロナ禍のなか、いったんキャンプをする人は減ったものの、キャンプはいわゆる『密』を比較的避けられるレジャーとして注目を集め、人気が出て回復したのではないか」と話しています。