プーチン大統領“艦隊戦力 あらゆる紛争に活用”演習報告受け

ロシアのプーチン大統領は、極東で行われている大規模な演習についてショイグ国防相から報告を受け「艦隊の戦力はあらゆる紛争に活用できる」などと述べ、ウクライナ情勢をめぐり対立を深める欧米や、日本をけん制しました。

ロシア大統領府は17日、プーチン大統領がショイグ国防相から、極東で今月14日から行われている大規模な演習について報告を受けたと発表しました。

この中でショイグ国防相は、演習には2万5000人以上の兵士らと軍艦など167隻、戦闘機など89機が参加しているとしたうえで、18日からは、ミサイルの発射に関する訓練も行うと明らかにしました。

これに対してプーチン大統領は「戦力の活用には優先順位がある。まずウクライナ方面だ。そして、ドンバスやそのほかの地域の人々の保護だ」と述べ、ウクライナなどに多くの戦力を投入し軍事侵攻を続ける姿勢を改めて強調しました。

その一方で「艦隊の戦力はあらゆる紛争に活用できる」とも述べました。

プーチン大統領としては、G7=主要7か国の外相会合で、ウクライナ支援などを継続していくことを確認し、ロシアに対してすべての軍を即時・無条件で撤退させるよう求めていくことで一致したなかで、ロシアの軍事力を誇示し、欧米や日本をけん制したものとみられます。

松野官房長官 外交ルートを通じて抗議

ロシアが北方領土周辺の海域で、18日から射撃訓練を行うとしていることについて、松野官房長官は、日本の立場に反するもので受け入れられないと、外交ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。

ロシア政府は、先週14日、極東の太平洋艦隊が大規模な演習を開始し、北方領土でも「敵の上陸を阻止する想定で訓練を実施する」と発表したのに続いて、18日から今月22日までの一部の時間帯に、択捉島周辺の海域で、ミサイルの射撃訓練を実施するとして航行警報を出しました。

松野官房長官は、午後の記者会見で「ロシアのウクライナ侵略が続く中、わが国周辺でロシア軍が活動を活発化していることを懸念している」と述べました。

その上で「北方四島でのロシアによる軍備の強化は、これらの諸島に関するわが国の立場に反するもので、受け入れられない旨、抗議した」と述べ、17日、外交ルートを通じてロシア側に抗議したことを明らかにしました。