ウクライナ政府高官ら来日 農業分野復興へ日本の支援に期待

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで農業や食料問題を担当している政府の高官らが日本を訪れ、農業分野の復興を巡って「日本のスマート農業やかんがい技術を取り入れたい」と述べ、日本のさらなる支援に期待を寄せました。

日本を訪れているのは、ウクライナ農業食料省の高官など6人で、17日は都内にあるJICA=国際協力機構の本部を訪れ、農業分野の復旧や復興などを巡って意見を交わしました。

このなかでJICAの窪田修上級審議役は「ウクライナへの支援のなかでも基幹産業である農業は最重要分野の一つで、食料安全保障の観点からも重要だ」と述べました。

これに対して、ウクライナ農業食料省のドミトラセビッチ次官は、日本が進めている地雷の除去に関する支援などに謝意を示した上で「いまだ南部を中心に破壊されたかんがい施設が多い」と述べ現状の課題について説明しました。

その上で「ITなどを活用した日本のスマート農業やかんがい技術を取り入れて農業をよりよい形で復興させたい」と述べ、日本のさらなる支援に期待を寄せました。
一行は、18日から3日間の日程で宮城県を訪れ、東日本大震災から復興した農業の現場を視察するほか、農業関係者などと意見交換を行うことにしています。

ドミトラセビッチ次官は取材に対して「東日本大震災のあと復興を進めた経験について話を聞き、ウクライナの復興に役立てたい」と話していました。