小麦生産量世界2位のインド 輸出禁止継続の方針示す

世界有数の小麦の生産国のインドは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を背景に価格が上昇していた小麦の輸出を去年から禁止していましたが、国内の安定供給を図るとして、今後も禁止を継続する方針を示しました。小麦の国際価格に影響する可能性もあります。

インド政府は、去年5月、ウクライナ情勢を背景とした小麦価格の値上がりを受け、国内の食料安全保障のためだなどとして、小麦の輸出を原則、禁止する措置をとっています。

この禁止措置について、インドの商工相は13日、訪問先のイタリアでインドのメディアに対し「インドの市場に十分な供給があることを保証しなければならない。インフレを抑える必要もある」と述べ、今後も継続する方針を示しました。

FAO=国連食糧農業機関によりますと、インドは小麦の生産量がおととし1億トンあまりと、中国に次ぐ世界2位の小麦の生産国です。

その多くは国内で消費されていましたが、去年インドが輸出禁止を発表した際には、一時的に小麦の国際価格の高騰につながりました。

インド政府は、ウクライナ侵攻の長期化を受けて、国内への影響軽減を優先させた形で、今後、小麦の国際価格に影響する可能性もあります。