日銀など各国の中央銀行が研究を進めるデジタル通貨は、英語で「Central Bank Digital Currency」の頭文字を取ってCBDCと呼ばれています。
紙幣や硬貨をデジタル上で管理し、スマートフォンなどでやりとりすることが想定されていることから、将来発行されれば人々の生活や経済活動を大きく変える可能性があります。
日銀は、2020年にヨーロッパ中央銀行やイングランド銀行など合わせて6つの中央銀行でデジタル通貨を研究する共同グループを設立し、その後、グループにはアメリカのFRB=連邦準備制度理事会も加わりました。
日銀では「現時点で発行する計画はない」とする一方、おととしから「デジタル円」の技術的な検証を進めていて、銀行など民間の事業者が幅広く参加する形でパイロット実験も進めることにしています。
実験は複数年の期間を予定し、銀行などの金融機関や決済事業者など幅広く民間から参加者を募るとしています。
また、外部システムとの接続に向けた課題などを確認するほか、課題を議論する会議を設けるなどとしています。
一方、政府はおととし、当時の菅内閣のもとでとりまとめた「骨太の方針」の中で、中央銀行のデジタル通貨について「政府・日銀は、2022年度中までに行う概念実証の結果を踏まえ、制度設計の大枠を整理し、パイロット実験や発行の実現可能性・法制面の検討を進める」としていました。

「デジタル円」財務省 有識者会議立ち上げ 実現可能性検討へ
紙幣や硬貨と同じように使えるデジタル通貨の発行について各国で検討が行われる中、財務省が「デジタル円」について新たな有識者会議を立ち上げ、発行の実現可能性などについて検討を進めることになりました。日銀では、すでに技術的な実証実験が進んでいて、今後、国内でも議論が本格化していく見通しです。
欧米や中国などの中央銀行は、いま流通している紙幣や硬貨と同じように使える電子的なお金について研究を行っていて、国内でも日銀が銀行など民間の事業者が幅広く参加する形で「デジタル円」のパイロット実験を進めることにしています。
この「デジタル円」をめぐり、財務省は新たに有識者会議を立ち上げると発表しました。
会議では、日銀が先月まで2年間行った技術的な検証も踏まえ、制度設計の枠組みなどの論点を整理するとともに、将来の発行の実現可能性について検討を進めることにしています。
日銀は、現時点で発行計画は未定としていますが、将来「デジタル円」が発行されれば、紙幣や硬貨がデジタルに置き換えられることになり、人々の生活や経済活動を大きく変える可能性があります。
ただ、関連する法律の整備など制度設計の議論に時間がかかることも予想されます。
財務省は、有識者会議での議論も踏まえ「デジタル円」をめぐる状況の変化に対応していきたい考えで、日銀とも連携を取りながら検討を進めたいとしています。
第1回の会議は、来週21日に開催されます。
「デジタル円」これまでの経緯
欧米・アジアなどで発行への議論 活発に
CBDCをめぐっては、欧米やアジアなどで発行に向けた議論が活発になっています。
各国の中央銀行がCBDCの研究を加速させた背景には、4年前、アメリカのIT大手のメタ、当時のフェイスブックが国境を越えて送金などに使える暗号資産を発行する計画を打ち出し、世界で流通するデジタル通貨の必要性が強く意識されたことがあります。
ただ、メタは発行の見通しが立たないとしてこの計画を断念しています。
現在は、中国が実用化に向けて先行しているとされ、去年2月に開催された北京オリンピックの会場では「デジタル人民元」の実験が行われました。
またアメリカでは去年、FRBが「デジタルドル」に関する初めての報告書を公表しました。
一方ヨーロッパでは、ヨーロッパ中央銀行が、ことし中にも発行するかどうかを判断するとみられているほか、インドでも発行に向けた計画が進んでいて、世界の国や地域で動きが活発になっています。
各国の中央銀行がCBDCの研究を加速させた背景には、4年前、アメリカのIT大手のメタ、当時のフェイスブックが国境を越えて送金などに使える暗号資産を発行する計画を打ち出し、世界で流通するデジタル通貨の必要性が強く意識されたことがあります。
ただ、メタは発行の見通しが立たないとしてこの計画を断念しています。
現在は、中国が実用化に向けて先行しているとされ、去年2月に開催された北京オリンピックの会場では「デジタル人民元」の実験が行われました。
またアメリカでは去年、FRBが「デジタルドル」に関する初めての報告書を公表しました。
一方ヨーロッパでは、ヨーロッパ中央銀行が、ことし中にも発行するかどうかを判断するとみられているほか、インドでも発行に向けた計画が進んでいて、世界の国や地域で動きが活発になっています。