バイデン大統領 “ルーツ”のアイルランド議会で演説
アメリカのバイデン大統領は、みずからのルーツであるアイルランドの議会で演説し、かつてアメリカに移住した祖先たちが育んできた自由や尊厳を重んじる価値観を守るため、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに立ち向かう重要性を強調しました。
19世紀半ばにアイルランドからアメリカに移住した祖先を持つバイデン大統領は13日、首都ダブリンの議会で演説し、冒頭、アイルランド語で「ただいま」とあいさつしました。
そして、同じようなルーツを持つケネディ元大統領が60年前に行った演説に触れながら、アイルランド出身者たちが苦難の歴史の中で自由や平等、それに尊厳を重んじる価値観を、アメリカ全体に広げてきたと指摘しました。
さらに「祖国にすべてを置き去って異国でやり直さなければならないことの意味を、アイルランドは記憶している」と述べ、およそ8万人のウクライナ避難民を受け入れているアイルランドの取り組みをたたえるとともに、軍事侵攻を続けるロシアに立ち向かう重要性を強調しました。
また、イギリスの北アイルランドでの紛争を終わらせた和平合意が今月で25年を迎えたことについて、「平和は貴重なものだということを決して忘れず、育んでいかなければならない」と述べ、平和を維持するため両国に緊密な連携を求めました。
バイデン大統領は14日には、祖先の出身地であるアイルランド西部の町を訪れ、3日間にわたる訪問を終えます。